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レーヴァティン

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第百十七話 西の端へその五

「それで金生み出してくれたらな」
「いいわね」
「だから税もな」
「そんなに重くでないわね」
「というか重くしたらな」
「その分民が疲弊してね」
「収入減るからな」
 勢力としてのそれがというのだ。
「だから冗談抜きで北条家みたいにな」
「戦国時代のね」
 これを後北条家という、鎌倉時代の執権北条家と比べてこう呼ぶのだ。
「その家みたいにね」
「五分どころかな」
「四分位でね」
「税はむしろ安くしてな」
「産業を頑張ってもらってるわね」
「そっちの方がな」
「結果的にね」
「収入あるんだよな」
 税を軽くしてそれよりも産業を育てる方がというのだ。
「本当に」
「それはそうよね」
「ああ、だからな」
「今降ってきている勢力も」
「税は軽くな」
「そうしていくわね」
「ああ、しかし降った勢力は何処もな」
 ここでだ、久志はこうも言った。
「俺達より税高いな」
「ああ、そのことね」
「やっぱり独自の勢力でな」
「何でもしてるとね」
 勢力としての運営をとだ、清音は久志に答えた。
「どうしてもね」
「金がかかるからな」
「税も高くなるのよ、特に軍のことでね」
「それな、大きな勢力だと一まとめでな」
「攻めも守りも考えるけれどね」
「それがな」
「小さな勢力だと」
「自分達だけで守って攻めてで」 
 そうしたことをしていかねばならないからというのだ。
「そうしてな」
「軍のことにもね」
「税もかかるからな」
 だからだというのだ。
「余計にか」
「そう、私達以上にね」
「税が多くなるんだな」
「そういうことよ、けれど私達に降ったら」
「勢力全体で軍のことやるしな」
「その分そっちへの負担が減ってね」
「税が安く済むんだな」
「例えば独自勢力のままだと五千の兵が必要でも」 
 その規模の軍がだ。
「私達に降ると一つの地域にそれだけいらないわね」
「半島でも南岸でもな」
「そこが軍事拠点になっても」
「勢力全体でやるしな」
「まあ半分に減るとして」
 軍の規模、それがだ。
「その分ね」
「税の負担も減るな」
「そうよ、それも勢力全体の税収から軍のお金を出すから」
「余計にな」
「減るわよ、私達は地域でなくね」
「今は半島と南岸全体で考えてるからな」
「地域であれこれしていないから」
 軍も然りであり内政も外交もだ。
「負担がかなり減るのよ、それでね」
「諸勢力もか」
「そういうことも観ているから」
「降ってきてるんだな」
「税は安くなって寛大でしかも守ってもらえる」
 これだけ揃っていればというのだ。 
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