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八条学園騒動記

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第五百二十六話 教師の資質その五

「とにかく授業が下手で」
「わからなかったですか」
「黒板に文字を書きながら棒読みばかりで」
「それだけですか」
「まともな説明でなくて」
 授業のそれでなく、というのだ。
「クラスの皆は困っていました」
「授業がわからないと」
「それで私の二年前の先輩はその先生にはっきり言ったそうです」
 本人にというのだ。
「お前の授業はわからないと」
「それはまた」
「普通ないですよね」
「相当に授業が駄目でないと」
「そう言われたのですが」
「改善は、ですか」
「なくて」
 それでというのだ。
「私達も時もそうで今の学生さん達には」
「何と言われているのでしょうか」
「何でも実家がおもちゃ屋なので」
 それでというのだ。
「おもちゃ屋継げばとです」
「言われていますか」
「そして何故言われているかに気付かず」
 マリアはさらに話した。
「周りに笑って実家のことを心配してもらっていると」
「言われているのですね」
「自分のことに気付かないのでは」
「どうにもならないですね」
「面と向かって言われもしているのに」
「それで改善もなしとは」
「はい、よく言われる言葉ですが」
 マリアはミンチンに眉を曇らせて話した。
「いい鉄は釘にならないで」
「いい人は先生にならないですね」
「そう言われることは」
 まさにというのだ。
「そうした先生がいるから」
「言われますね」
「とにかく学校の先生の性犯罪や暴力事件、横領は多いですし」
 このことは二十世紀後半の日教組があった日本と同じだ、やはり学校の教師の世界には何かがあるのであろう。日教組という組織がなくとも。
「真面目な先生も多いのに」
「むしろですよね」
「真面目な先生が主流だというのに」
「そうした無能な先生や酷い先生がです」
「いることは事実で」
「どうしても言われますね」
「そうですね」
 マリアは暗い顔で応えた。
「どうしても」
「残念なことに」
「ですが多くの先生はプロですね」
「はい」
 その通りだとだ、ミンチンはマリアの言葉に答えた。
「紛れもなく」
「プロであるだけに」
「知識と技量があり」
「その二つをですね」
「磨いていくことです」
「そうあるべきですね」
「先生がお会いした数学の先生は論外です」
 まさにと言うのだった。
「プロではないです」
「学校の先生というプロでも」
「プロではなく」
 では何かとマリアに話した。
「悪い言葉ですが」
「何でしょうか」
「月給泥棒です」 
 それになるというのだ。
「最早」
「ただお金を貰っているだけの」
「直接駄目出しされても改善の意志がないですね」
「結構直接転職を薦められる位でも」
 実家の仕事を継げとだ。
「気付かない位で」
「それではです」
「もうですか」
「はい、月給泥棒です」
 そうした人物だというのだ。 
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