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八条学園騒動記

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第五百二十六話 教師の資質その四

「ですが軍人さんはです」
「士官の人は」
「そうはいかず」
「詩を詠めるまでいかずとも」
「かなりの教養がです」
「求められるのですね」
「左様です、ですから」
 それが為にというのだ。
「なることも難しい」
「そうしたお仕事ですか」
「はい、ただその教養は」
 高度なものが求められるそれはというのだ。
「専門ではないので」
「やはり本分は軍事ですね」
「それなので」
 だからだというのだ。
「そこまではです」
「至らなくて」
「やはりそれぞれの専門職の方の方が」
「それぞれの分野については」
「造詣が深いです」
「やはりそうなりますね」
「そうです、この博物館ですと」
 ミンチンは今度はこちらの話をはじめた。
「やはり博物館の中にあるものについては」
「学芸員の方ですね」
「そうなります」72
「では私のお相手の人も」
「その分野については」
「相当にですね」
「教養がおありかと」
 こうマリアに話した。
「やはり」
「プロということですね」
「プロは違いますね」
「それで生きているので」
「本物です」
 そうしたものだというのだ。
「まさに」
「だからですね」
「はい、私達もプロですね」
「学校の先生も」
「その意識がない人がいても」
 それでもというのだ。
「プロはやはりです」
「その分野の専門家で」
「知識や腕は」
 そうしたものはというのだ。
「全く違います」
「それで、ですね」
「私達はこれからも」
「学校の先生として」
「専門の知識や技量をです」
「磨いていくべきですね」
「そう思っています」
 ミンチンとしてはそうなのだ。
「いつも」
「先生はいつも学生さん達と向かい合っていますね」
「どの子ともですね」
「はい、正面から」
「それがです」
 まさにとだ、ミンチンはマリアに答えた。
「教師としての仕事と思っていますので」
「だからですか」
「そしてです」
 さらにと言うのだった。
「授業もです」
「そちらのこともですか」
「どの様な学生さんも理解出来る」
「そうした授業でないとですね」
「駄目だと考えています」
 生真面目な声で言うのだった。
「常に」
「確かに。授業が下手ですと」
 マリアにもわかることだった。
「どうにもです」
「困りますね」
「はい、中学三年の時の数学の先生が」
 マリアは自分の経験から話した。 
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