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星河の覇皇

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第七十一部第五章 組み入れその十二

「あくまで最低限のことで」
「それ以上は、でしたね」
「存在していなくて」
「各国の権限がかなり強く」
「そこからでしたね」
「中々進まず」
「国家としましては」
 どういった国家だったかというと、初期の連合は。
「最低限でしたね」
「小さな政府でした」
「夜警国家とも言うべき国家で」
「小さなものでした」
「まさにでした」
 こうだ、八条も言った。
「連合はそこからはじまりました」
「まさにそうでしたね」
「非常に小さな政府で」
「そこから今に至るまで」
「千年かかりましたね」 
 中央政府軍が設立され動くまでだ。
「千年、ミレニアムです」
「そこまで時間がかかるとは」
「実に長かったです」
「中国の王朝では」
 一人がこの国の二十世紀までの王朝のことを話した、そのことはというと。
「王朝が三つか四つは交代していましたね」
「それ位の時期ですね」 
 八条もその彼女、女性だったのでこうなる。
「昔は千年になると」
「はい、そうですね」
「中国ではそれ位の状況になりました」
「そうでしたね」
「戦乱も起こり」
 その王朝交代の中でだ。
「そうなりましたね」
「はい、そうでした」
「千年となれば」
「千年もの時期が経てば」
「かつてはそうでした」
「古代エジプトでも数多くの王朝が興亡を繰り返してきました」
「連合にしても」 
 この千年の間にだ。
「百回は政権交代が起こりました」
「中央政府でも各国政府でも」
「選挙の結果」
「そしてその都度国家が変わった様なもので」
「連合自体随分変わりました」
「しかし中央政府と各国政府の綱引きは続き」
「中央政府軍の設立までは」
 中々だったのだ、このことは連合では軍事の優先度が非常に低いことも大きく影響していた。その為この議論も中々出なかったのだ。
「中々でした」
「はい、他にあれこれとありまして」
「千年の間様々なことでせめぎ合っていて」
「引いて引かれて」
「中々軍事までいきませんでした」 
 軍事のことを議論に出す者も非常に少なかった。
「連合では」
「各国軍はありましても」
「そこからでしたね」
「それで充分という意見で」
「そこからは」
 実際にだ、中々進まなかったのだ。
 そしてだ、さらにだったのだ。
「中央警察の設立も揉めました」
「百年前にようやく設立されましたが」
「中央裁判所はありましたが」
「最高裁判所が」
 各国政府の裁判所の上にある、これも連合設立当初から存在している。
「しかし警察になりますと」
「やはり各国の権限が強く」
「そこからはでしたね」
「中々進まず」
「百年前にやっと設立されてからでしたね」
「近年になってです」
 中央警察が設立されて連合全体の治安を観る組織が出来たのだ、そして中央政府内務省の権限も強化された。尚各国政府は内務省ととりわけ仲が悪い。 
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