| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一部第五章 組み入れその十一

 そのうえでだ、彼はあらためて言った。
「今回も結局はです」
「国境ですね」
「それの問題ですね」
「そしてその国境をですね」
「固めるのですね」
「これからは今以上に」
「そうです、国境を確かにすること」
 このことはというと。
「市民を守ることであり」
「国家を守る」
「そういうことですね」
「守っているその場所に確かな兵を置く」
「このこともですね」
「これからは外縁部は将来領土になる場所で」
 そうしたものにするというのだ。
「そして、です」
「不法出国者はいさせない」
「これまでより遥かに少なくし」
「新たな進出の時に組み込んでいく」
「そうしていきますか」
「海賊も出させません」 
 これまで外縁部にいて外縁部の普通の出国者達や連合の辺境を脅かしていた彼等もというのである。
「絶対に」
「そのことも重要ですね」
「これまで辺境は海賊に悩まされてきましたが」
「今度は中央政府軍も警備にあたり」
「最初から出国者を出させないので」
「それもなくなります」
 海賊達の跳梁跋扈もというのだ。
「是非」
「国境にも相応の軍勢を置き」
「今は治安を確立していますが」
「それからもですね」
「相応の艦隊を置きますね」
「そうしていきます」
 またこう話した。
「やはり」
「そうですね」
「これからは違いますね」
「中央政府軍が設立されたので」
「このことが大きいですね」
「若し中央政府軍が存在しないと」
 まさにというのだった。
「ここまではとても出来なかったですから」
「かなり以前からしたかったですね」
「思うなら」
「はい、ですが」
 それでもとだ、八条は言った。
「連合ではです」
「そうは出来ませんでしたね」
「残念なことですが」
「この千年間各国政府との綱引きばかりで」
「中央政府の権限は弱かったです」
 千年の間発展を続け政治システムも民主政治を維持したまま官僚機構も含めて変わったきた。だがそれでもだったのだ。
「各国政府の権限は強く」
「その彼等とのせめぎ合いばかりで」
「中央政府軍まではですね」
「とても至りませんでしたね」
「この千年の間は」
「そうでした、本当に少しずつです」
 その千年の間にだ。
「出来ることからしていきました」
「最初に貨幣鋳造権と中央政府のシステムは整えていて」
「そして国境決定権も持っていました」
「中央政府として最低限の状況はあったので」
「それで、でしたね」
「連合は確かにでしたね」
「国家として存在してきましたね」
 このことは確かだった、連合は設立の時に最低限必要な国家を維持する権限を中央政府に付与していたのだ。だが。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧