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星河の覇皇

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第七十一部第五章 組み入れその十

「見せるものならば」
「これでもかと見せる」
「それも常にですね」
「そして相手に攻めさせない」
「妙な気配も起こさせないですね」
「そうしたものです、だからマウリアとサハラの国境にです」
 そこにというのだ。
「多くの兵を置き」
「そして、ですね」
「多くの設備も置きましたね」
「防衛システムを」
「かなりの防衛ラインを敷きましたね」
「これではです」
 まさにというのだ。
「彼等もそうした気を起こしません」
「マウリアは同盟国ですが」
 それでもとだ、一人が言った。
「しかしですね」
「同盟国でもです」
「自国ではないですから」
「他国はです」
 そうした相手ならばというのだ。
「やはりです」
「完全に油断は出来ませんね」
「ですから備えはです」
「置きますね」
「用心して」
「そのうえで」
「これ位の用心はです」
 まさにというのだ。
「基本ですね」
「はい、確かに」
「港の警護に大砲を置く様なものです」
「連合の中ならいざ知らず」
「同じ国同士ならです」
 それこそというのだ。
「それもいいですが」
「はい、州同士の違いの様なもので」
「連合内部ならノービザで移動出来ますし」
「各国軍は他国には入られません」
「中央政府の特別な許可がない限りは」
「ですから」
「連合は一つの国ですから」
 まさにそれが為にだ。
「いいのですが」
「マウリアは、ですね」
「同盟国でも他国ですから」
「備えは必要ですね」
「何かあった時に備えて」
「そうです、そしてサハラは」
 こちらはというと。
「オムダーマン、ティムールのどちらが統一するかまだ不明ですが」
「それでもですね」
「両国共同盟国ではないですし」
「備えは置きますね」
「それも万全のものを」
「そうしますね」
「そうです、連合が丸々とした牛や羊で満たされた牧場ならば」
 こうした例えもだ、八条は出して話した。
「サハラはどうか」
「痩せた狼の集まりですね」
「餓えた」
「侵略の意図はなくとも」
「それだけの違いがありますね」
「ですから」
 それだけの違いがあるからだというのだ。
「備えは置きます」
「こちらとしては」
「まさかとは思いますが」
「それでもですね」
「備えを置き」
「攻めさせないですね」
「その考えで築きました」
 国境の防衛ラインをというのだ、八条はそこまで考えてそのうえで政策を立てているのだ。こうしたことも話した。 
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