星河の覇皇
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第七十一部第四章 引き継ぎその三十九
「システム等で戦う軍隊ですか」
「そうなのです」
「そうして勝つ軍隊は」
どうかとだ、サチフはオグモにこうも話した。
「サハラではあまりないですが」
「あるにはありますか」
「そうした国家もありました」
言葉は過去形だった、つまりそうした国もあったが戦乱の中で滅び消え去ってしまったというのだ。サハラでは無数の国家が興亡してきた。
「参考にもされていますが」
「やはり軍事的天才が、ですか」
「求められます」
「そして今に至るのですね」
「そうです」
「そこは連合とは違いますね」
今度はオグモがこう言った。
「それぞれの国や地域で違いますね」
「軍事への考え方が」
「そのこともわかりました」
「一人の天才を生み出す教育が、です」
「サハラの軍事教育ですか」
「そうなっていますし」
「そしてその教育からですね」
まさにとだ、ここでオグモが名前を出した人物はというと。
「アッディーン大統領、そして」
「シャイターン主席になります」
「あのお二人ですか」
「あのお二人の様になるには」
サチフは彼等に称賛の言葉すら贈っていた、そうしつつの話だった。
「やはり天才です」
「その通りですね」
「果たしてどちらがサハラを統一するか」
「そのことは」
「わかりません」
まさにというのだ。
「アッラーが決められること、ただ」
「ただ、ですね」
「国力、軍隊の規模はです」
この二つはというと。
「オムダーマン、アッディーン大統領有利かと」
「あちらですか」
「確かに軍事的才能は重要ですが」
「それでもですね」
「やはり戦争は数です」
これに尽きることだった、連合軍もエウロパ戦役でエウロパ軍をその何倍もの数で圧倒して勝った。将兵の質では劣っていてもだ。
「その数をシャイターン主席がどう覆すかですが」
「覆せないなら」
「敗北です」
「シャイターン主席の」
「そうなります」
まさにというのだ。
「果たしてどちらがサハラを統一するか」
「それが問題になりますね」
「そうです、しかし我々は今は」
義勇軍の者達はというと。
「この国に、連合にいますので」
「今現在はですね」
「直接の関係はありません」
「そうですね」
「ただ。これからは」
「サハラが統一すれば」
「どうなるかは」
難民である彼等はというのだ、難民は戦乱や飢饉サハラの場合は戦乱を避けたり追放されたりして流れ出た。だがその戦乱が終わり追放されることっもなくなればというのだ。
「わかりませんが」
「サハラに戻られることは」
「どうなるか」
「そうなのですか」
「それは個人、家族で決めることです」
「司令は」
「私は残るつもりです」
これが彼の考えだった。
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