| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一部第四章 引き継ぎその三十八

「ですが凡人はです」
「常にですね」
「生まれてです」
「この世にですね」
「多くいます、連合軍にもです」
 天才よりもというのだ。
「多くいますので」
「だからですか」
「はい、連合軍は百人の凡人を求めます」
「平均的な人材をですね」
「普通の仕事を普通に出来る」
 軍のそれをだ、この場合は。
「そうした人材を育て」
「使っていっているのですね」
「そうなのです」
「そうした人材ですか」
「それぞれの部署の」
「天才は不要ですか」
「無論いてくれれば有り難いです」
 連合軍にもというのだ、オグモはこのことは否定しなかった。
「やはり、ですが」
「そうした人材はですね」
「イスラムの言葉では」
「アッラーの思し召しですね」
「それでしかもたらされない存在なので」
「それよりもですか」
「百人の平均的な人材です」
 まさにそうした者達だというのだ。
「連合軍が求めているのは」
「そういうことですか」
「はい」
 オグモはサチフに答えた。
「平均です」
「あくまで平均ですね」
「そしてそれに加えて」
「システム等で戦いますか」
「そうした考えなのです」
「サハラはどうも」
「人材をですね」
「第一に置いています」
 即ちソフトウェアというのだ。
「どうしても」
「やはりそうですか」
「勿論技術やシステムも考慮しています」
 そうした面もというのだ。
「ハードウェアについても。ですが」
「それでもですか」
「どちらに重点があるかといいますと」
「ソフトウェアですね」
「それも個々の軍事的才能に頼っています」
「英雄に」
「一言で言いますと」
 まさにとだ、サチフも答えた。
「そうした存在が出れば」
「頼りますか」
「そうなっています」
「そうですね、ですが」
「連合ではですね」
「軍事的天才、英雄は滅多に出ないものと考えています」
 現実を考えればそうだというのだ、連合という国の特徴として個々の才能ではなくシステムや平均的な能力を確立させる教育を念頭に置いているのだ。
「そしてそれでもです」
「万全に戦えるですね」
「そうした国家を考えていますし」
「軍事においてもですか」
「天才ではなく技術と物量、システムです」
 まさにそうしたものでというのだ。
「戦う様に考えていてです」
「組織としてもですね」
「考え出されています」
「それ故にですか」
「はい、この様な軍隊になっています」
「そこが全く違いますね」
 サハラとはとだ、サチフはオグモに述べた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧