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星河の覇皇

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第七十一部第四章 引き継ぎその三十一

「そちらもですね」
「興味がおありで」
「お話が出来るなら」
「したいものだ」
 是非にというのだ。
「レスリングなりプロレスなりだ」
「連合ではどちらも盛んですが」
「プロレスにしましても」
「テレビでの実況も行われていて」
「人気があります」
「あの派手さはいい」
 プロレスの技やパフォーマンスのそれがだ、彼も好きなのだ。
「連合のプロレスは実に面白い」
「観ていてもですね」
「そうされていても」
「だから司令もお好きですね」
「そうなのですね」
「そうだ、面白い」
 実に、というのだ。
「だから話もしたいが」
「それが出来る方が、ですね」
「正規軍の将帥におられるか」
「第六軍団に」
「どうなのだろう、実際に行うことも好きだが」 
 リングの中でだ、リングでの彼は猛虎と呼ばれ正統派のベビーフェイスのレスラーとして有名である。タッグでもフォローが速いと好評だ。
「そしてだ」
「お話することもですね」
「お好きですね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「話もしたいが」
「ではどなたかとです」
「お話をされますか」
「そうされますか」
「そうだが」
 しかしというのだった、ここで。
「いるだろうか」
「やはりおられるのでは」
「第六軍団の将帥の方にもです」
「連合では人気がありますし」
「軍人達の間でも人気です」
 職業柄か軍人は格闘技を好む者が多く観ることも語ることもそして実際に行うことも好きだ。だから武道の黒帯の者も多い。
「ですからどなたかがです」
「お好きでは」
「そう思いますが」
「では少しこれとなく聞いてみるか」
 第六軍団側にとだ、サチフは考える顔で言った。
「そしてだ」
「はい、それでは」
「その様に」
 幕僚達も頷いてだ、そしてだった。正規軍側に何処となくそうした話を出すとだった。
 オグモはその話を聞いてだ、目を明るくさせて言った。
「プロレスの話か」
「そうです」
 彼に報告する大佐の階級の者が応えた。第六軍団の主だった者達が集まっているその場でだ。
「それを義勇軍の指揮官クラスのどなたかです」
「将官のだな」
「されたいとか」
「いいことだ」
 オグモは大佐の話に笑顔で応えた。
「そうした話はな」
「司令としてはですか」
「私自ら話したい」
 こう笑顔のまま言うのだった。
「実は私はだ」
「はい、プロレスをですね」
「愛している」 
 ただ好きなだけでなく、というのだ。
「そこまでだからな」
「だからですね」
「話したい」
 是非にというのだ。 
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