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星河の覇皇

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第七十一部第四章 引き継ぎその三十

「やっぱりグラスバンドはな」
「連合の方がずっといいな」
「楽器の質だってな」
「曲の数もだ」
 そうだというのだ、実際に正規軍のグラスバンドの演奏も行われていたがその演奏を聴いてだ。義勇軍の将兵達は唸っていた。
「いいな」
「そうだよな」
「何か全然違うな」
「サハラのグラスバンドとな」
「トルコもいるしな、連合には」
 日米中露伯とならんで六大国の一国だ、オスマン=トルコの軍隊からグラスバンドははじまったことは歴史にもある。尚伯とは伯剌西爾即ちブラジルのことだ。
「そのこともあるのか?」
「それで連合はグラスバンドがいいのか」
「楽器もいいし」
「曲の数も多いな」
「今の曲は」 
 今現在彼等が聴いている曲はというと。
「特撮の主題歌か」
「ウルトラマンだな」
「ウルトラマンの百何十作目かの主題歌か」
「随分格好いい歌だな」
「聴いていて励まされるな」
 実にというのだ。
「本当にな」
「聴いていて心が励まされるな」
「何ていうか」
「元気が出るぜ」
 そうした曲だった、彼等が聴いても。正規軍はグラスバンドでも彼等と交流を深めていた。そしてだった。
 その演奏を聴きつつだ、ワチフも言った。彼は今は軍団の幕僚達と共にパーティーで立会食を楽しみながらワインを片手に聴いていた。
 そしてだ、こう言うのだった。
「聴いていていい気分になるな」
「はい、本当にです」
「心が励まされます」
「士気も鼓舞され」
「心が弾みます」
「いい招待をしてくれている」
 正規軍のそれはというのだ。
「では明日はな」
「我々が、ですね」
「応えるべきですね」
「それも全力で」
「そうしなければなりませんね」
「全くだ、これだけの歓待を受けてだ」
 そしてだった。
「いい交流をしてもらうとな」
「あちこちで談笑が起こっていますね」
「このホールの中でも」
「そうなっていますね」
 彼等は第六軍団の旗艦のホールで歓待を受けている、ティアマト級巨大戦艦のホールは実に巨大でパーティー会場も相当な広さだ。
「どうも思ったよりもです」
「関係は良好ですね」
「お互いに趣味で話せている」
「いいものですね」
「私も趣味の話が出来るかもな」
 ここでワチフはこんなことも言った。
「釣りと格闘技のな」
「レスリングですね」
「そちらの」
「そうだ、レスリングはいい」
 ワチフはそちらでもかなりの腕で知られている、これは普通のレスリングだけでなくプロレスでも定評がある。
「プロレスもだがな」
「あちらもですね」
「司令は相当なものですね」
「大会にも出られていますし」
 義勇軍の中で行われるそれでもだ、彼の年齢の部でベスト四まで進んだこともある。 
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