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星河の覇皇

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第七十一部第四章 引き継ぎその十四

「国民が窮乏に耐えているのにこの様な贅沢は何かとな」
「正論ではありますが」
「しかしですね」
「それをその場で言いますと」
「どうしようもないですね」
「そうだ、この人物はだ」
 その辻政信はだ。
「あまりにも空気が読めていなかった」
「そこはあえてですね」
「入るべきでしたね」
「やはり」
「素直に」
「交流を考えるとな」
 そうあるべきだったとだ、オグモも言った。
「ただ、確かにな」
「市民が耐えているのなら」
「その時は」
「海軍側もですね」
「配慮すべきだったが」
 彼等の方もというのだ。
「贅沢を慎むな」
「そうした時期だった」
「戦争が苦しかったので」
「だからですね」
「どうしても」
「そうだった、しかし下手なものを出してもだ」
 質素というかそうしたものを歓迎の場で出してもというのだ。
「やはりよくないな」
「はい、それも失礼です」
「どうしましても」
「バランスが大事です」
「海軍側は贅沢に過ぎた」
「そうなるでしょうか」
「そして陸軍側はだ」
 もっと言えば辻政信はだ、この人物はとかく空気を読めないことでは人後に尽きなかった。それでその時も怒ったのだ。
「怒るべきではなかった」
「ですね、どうにもですね」
「怒るべきでなく」
「心を収めてですね」
「交流を受けるべきだった」
「そうすべきでしたね」
「出来ることならな、しかしな」
 それでもというのだ。
「あちら側もそうしたからな」
「双方に問題がありましたね」
「海軍側も陸軍側も」
「対応に問題があった」
「だから交流は失敗した」
「そうなったのですね」
「こうしたこともあった、最初から仲が悪かったがな」
 陸軍と海軍はだ、最初から犬猿の仲であったことは事実だ。
 しかしだ、その結果だったのだ。
「それがかなり悪くなった」
「裏目に出て」
「それが問題になって」
「交流は失敗した」
「では我々も」
「そこは注意して」
「贅沢なものを出してもだ」
 それでもというのだ。
「いいが、しかしだ」
「あちらのことはですね」
「考えていていきますか」
「サハラ側が食べるもの」
「そちらも充分に用意しますか」
「羊だな」
 イスラムといえばこの肉だ、だからオグモも出したのだ。
「何といってもな」
「やはりですね」
「そちらになりますね」
「羊料理を多く出しますか」
「そしてお酒は、ですね」
「出すがだ」
 それでもというのだ。 
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