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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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父と娘と男と女②

<グランバニア>
ビアンカSIDE

昼も過ぎ、リュカは娘達相手に本を読んであげている。
母親が複数居る事を除けば微笑ましい風景だ。
「ただいまー!連れてきたわよー!」
ポピーを先頭に、疲れ切ったティミーが入ってくる。
そして………その後ろからヘンリー様!?嘘!!?

「な!!?まさかヘンリーがポピーに手ぇ出したのか!!?」
驚愕の表情で立ち上がるリュカ。
「お、俺じゃない!お前と一緒にするな!!…俺の息子だ!お前の娘の相手は…」
よく見ると更に後ろから躊躇いがちに入ってくるコリンズ君が…

「あの…お、お久しぶりです…リュ、リュカ陛下…」
「…………………………」
心底困っている様子のリュカ。
こんな表情初めて見るかも…

「………コリンズ君……」
名を呼ばれビクッと身体を震わすコリンズ君。
かなり緊張している様ね…当たり前か…

「……はぁ……で…僕の娘の具合はどうでしたか?」
えぇ~!!!?
「ちょっと、リュカ!最初の質問がそれってどういう事よ!」
「だって気になるじゃん!ヤっちゃったもんはしょうがないし…取り返しのつかない事だし…」
だからって…

「最高に決まってるでしょ!私なんだから!!」
ちょっとポピー…
「何なんだこの親娘は!?」
ヘンリー様の言葉に反論できない。

「コリンズ!お前本当にこの娘で良いのか?」
言葉は辛辣だけど表情は笑顔…親友の娘って事で嬉しいみたいね。
「……リュカ陛下!い、いえ…お義父さん!」
コリンズ君、声裏返ってるけど真剣な様ね。

「娘さんを…ポピーを僕にください!必ず幸せにしてみせます!」
さすが男の子!良く言ったわ!
ポピーも嬉しそう。
「え~…ヤダ~…」

はぁ!?
この流れ、違うでしょ!!
優しく容認するのが父親でしょ!!

「あら!じゃぁ…セフレ決定ってこと!?まぁ、お父さんの周りにも居るからねぇ…結婚はしてないけど子供を産んだ女性が沢山…それと同じって事ね!」
「それもヤダ!」
「勝手ねぇ~…じゃぁ、どうすればいいのよ!」
「コリンズ君はどうすればいいと思う?」
「え!?お、俺ですか…!?えっと…あ、あの…」

あ!リュカとポピーの表情が人の悪い表情に変わった!
二人とも碌な事を考えてないわ!
「どうやらコリンズ君はポピーの事を愛してはいないらしい!」
「違…「どうせアレだろ!ポピーの方から襲う様な形でヤちゃったんだろ!?」
うん。この場にいるみんなが頷いた。
一人を除いて…

「お父さん!そんな事無いよ!コリンズ君は真剣なんだ!僕、相談された事もあるんだから!」
ティミーは良い子ね。
親友を庇ってる。
でもね…リュカとポピーには通用しないわ。
その事も計算済みのはずよ。

「(ゲラゲラ!!)彼女もいない童貞のお前に相談している時点で大して本気じゃないって事だよ!!」
ほら!被害が増した。

「うっ!…た、確かに僕に相談しても力にはなれなかったけど…コリンズ君は真剣だよ!それだけは間違いない!!」
煽られる形で擁護するティミー。
まだまだ役者不足ね!リュカには敵わない。

「お義父さん!俺は本気です!!本気でポピーを愛してます!この世界の何よりも!」
ムリね…相手が悪い…そんな事じゃ、この泥沼からは抜け出せないわ!
「口じゃぁ何とでも言えるよ。僕なんかは死にそうな試練を受けて、合格して他の女性と結婚できる様になったにも拘わらず、その女性を蹴ってビアンカと結婚したからね!僕の…口だけじゃない愛の証明さ!」
言っている事は格好いいけど、やってる事は娘の恋人を苛めているだけだから…
しかも、その娘も楽しんでいるし…
何考えてるの、あの娘?

「つまり、そんなお父さんの上を行けば良いのね!お父さんに勝てれば良いのね!!」
「え!?…ま、まぁそう言う事だけど…勝つってどういう意味?」
「そのままの意味よ!お父さんと戦って勝つ!首洗って待ってなさい!このヒョロ男を、最強の剣士にレベルアップさせてくるから!」
「ちょっと、戦うってそう言う意味!!僕、ヤダから!乱暴事、ヤダから!!」
「そっちの都合なんて知らないわよ!ほら、行くわよダーリン!ティミーも来なさいよ!!!親友のピンチでしょ!!」
そう言うとポピーは、ティミーとコリンズ君の手を引いて出て行ってしまった。

「お前…娘にどういう教育をしてるんだ?」
「どうって言われても…」
「今朝、俺の前に半裸で現れたんだぞ!コリンズとの事の後に…」
間違いなくポピーはリュカの娘ね!
マリーに悪影響が出なければ良いけど…

ビアンカSIDE END



<サンタローズ>
リュリュSIDE

先程、ティミー君とポピーちゃんが見知らぬ男の子と一緒に、サンチョさんの家に入って行きました。
?今日はお父さん来てないけど…
気になったので私も行ってみよ。


中では一人楽しそうなポピーちゃんが、マーサお祖母様に何かお願いしている最中でした。
「あ…ティミー君…こんにちは。今日はどうしたの?」
「あ!リュリュも聞いてよ!お父さんが、私とダーリンの交際を認めてくれないの!」

絶対嘘だ!
きっと自らこう言う状況にしたに違いない!
だって目が楽しそうだもん。

「あの…初めまして、リュリュです。ティミー君とポピーちゃんの腹違いの妹です」
「あ、どうも。コリンズです」
はぁ………きっと、ティミー君とコリンズさんは被害者ね。



話は大体分かったわ…
主犯格が二人、お父さんとポピーちゃん。
被害者はその他全員。私も被害者の一員に加わってしまった様だ。

「…で、ポピーは私に何を頼みに来たのですか?」
「はい、お祖母様!魔界へのゲートを開いて下さい。」
「…………………………はい!?」

リュリュSIDE END



 
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