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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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父と娘と男と女③

<魔界>
リュリュSIDE

何故だか私も魔界へ来ています。
簡潔に説明すると…
お父さんとコリンズさんが決闘をする事になりました。

でも、コリンズさんは弱いのでポピーちゃんは鍛えるつもりみたいです。
鍛えるのにもってこいの場所とは魔界。(ポピーちゃん極端です)
コリンズさんだけじゃ不安なので、ポピーちゃんとティミー君が同行。

そして心配してくれたお祖母様も同行。
さらに私と私のお友達モンスターも強制同行されました!
『ドラキー』のドラきち、『メタルスライム』のメタリン、『はぐれメタル』のはぐりん、『アークデーモン』のアクデンです。
私じゃ戦力にならないと言ったんですが…
「大丈夫!お父さんの娘なら立派な戦士よ!」
と言って『誘惑の剣』をプレゼントされました。
「男を惑わす貴女にピッタリ」って…
酷い言われ様です。


お父さん達は、こんなに空気の重い場所を旅していたの!
やっぱり凄いわ!
でもティミー君が「魔王が居なくなったから少し緩くなったよ」って…
今のこの状態でも私には苦しいのに…
私きっと足手纏いになる…
私…帰りたいです…

リュリュSIDE END



<魔界>
ティミーSIDE

「アンタ馬鹿じゃないの!」
ポピーが小声で失礼な事を言ってくる。
何なんだいきなり!

「リュリュを脅かしてどうすんのよ!」
「え!?そんなつもりは…ただ、本当の事を…」
「だから、アンタ彼女が出来ないのよ!」
本当、失礼な女だ!!

「そう言う時は『大丈夫だよリュリュ。僕が守ってあげるよ!』って言うのよ!そうしたらリュリュ、ティミーにメロメロよ!」
どうしてもリュリュと僕をくっつけたい様だ。

「何だ、ティミーは妹に惚れてんのか?ポピーには手を出すなよ!俺の彼女だ!」
「頼まれたってあんな性格の悪い女に手は出さないよ!」
ポピーとコリンズ君はクスクスと笑っている。
腹立つなコイツ等…
お前等のせいで酷い目にあってんだぞ!自覚しろ!!
「ほら!恐怖に震えるお姫様の元へ行けよ。『僕が居るから安心だよ』ってさ!」
僕はコリンズ君に押される形でリュリュの元へ赴いた。

「リュ、リュリュ…大丈夫だよ。どうせあの二人、すぐに挫折して帰ろうって言い出すよ」
僕は笑ってリュリュの手を握る。
柔らかい手、そしてとても良い香りがする…リュリュ…本当、可愛いなぁ…

するとアクデンが僕とリュリュの間に割り込み前進を促す。
「リュリュ様!我々も居ます。どうかご安心を!」
アクデンに目で『手を出したら殺す』と脅されました。
何奴も此奴も………


魔界の平原を突き進む。
襲い来るモンスターは皆強敵!
コリンズ君ではかすり傷一つ付ける事はムリだろう…
ここに来た意味あんの?

ジャハンナで『吹雪の剣』を入手し装備をしているが役に立たない。
僕はコッソリとポピーに話しかける。
「なぁ…コリンズ君はどんなに頑張ったってお父さんに勝てる見込みは無いぞ!」
さすがに本人には言い辛い。

「そんなの分かってるわよ!勝負度胸を付けさせる為に来たの!黙って護衛してなさいよ!」
本当、いい迷惑だ!
「あの~…妙な気配がしますが…ここは何でしょうね!?」
リュリュが地面に出来た亀裂を覗き込み大声をあげている。
以前に来た時には無かったが…

亀裂は深いダンジョンになっている様だ。
「よし!これも修行よ、行きましょダーリン♥」
コリンズ君、もう泣きそうだ!
でも、この状況で逃げ出さない…泣き言を言わない…本当にポピーの事を愛しているんだな…
ちょっと羨ましいなぁ…そう言う相手が居て…
ポピー相手じゃ絶対ヤダけど!

ティミーSIDE END



<謎の洞窟>
マーサSIDE

なんと魔界には私の知らないダンジョンが出現してあった!
襲い来る敵の強さが半端じゃない!
それでもティミーとポピーの連係攻撃はさすがだ。
リュリュも善戦している。
誘惑の剣を振るい戦う姿は、まるでワルキューレだ。
並の戦士より、遙かに強いだろう。
また、リュリュはモンスター達とも良いコンビネーションである!

しかしコリンズさんは戦闘へ参加する事が出来ないでいる。
当たり前だ…レベルが違いすぎる。
彼がここの来た意味が全く分からない。

そんな事を考えながら進んで行くと、正面に強烈な殺気を放っているモンスターが1体こちらを睨んでいる。
「我が名はヘルバトラー!地獄の帝王エスターク様の僕である!!」
『地獄の帝王エスターク』!?
ミルドラース以外にもこの様な魔族が居ると言うの!?

「貴様等は何用でここまで来た!?我が主は永き眠りよりまだ覚めておらぬ!我が主を害しに来たのか!?」
「いえ…「そうよ!正義のヒーロー、天空の勇者様と愉快な仲間達が、地獄の帝王エ、エ、…エクスタシー?…を成敗に来たのよ!」
ティミーの言葉を遮ってポピーはヘルバトラーを挑発する。

「エクスタシーではない!エスターク様だ!!間違えるな小娘!!」
ヘルバトラーは逆上し襲いかかってくる!
ポピーはヒラリと攻撃をかわし後方へ退がる!
父親と同じ動きだ…

ヘルバトラーは激しい炎を吐き辺りを火の海に変えるが、ティミーのフバーハで私達は殆どダメージがない。
ポピーのマヒャドがヘルバトラーへ襲いかかり、ティミーのギガデインがトドメを刺す。
「ぐぅぅ…この様な子供に遅れを取るなど…」
崩れ落ちるヘルバトラー…

しかし、満身創痍になりながらも、再度立ち上がり我々と対峙する…
「わ、私は負ける訳には…エスターク様をお守りせねば…」
気迫で立ち上がるヘルバトラー。

ティミーが剣を構え、踏みだそうとした瞬間!
「やめてください!!」
リュリュが二人の間に割って入る。

「バトラーさん。本当は私達、エスタークさんを倒しに来た訳じゃないの…ここには迷い込んじゃっただけなの…エスタークさんが私達人間に危害を加えないのなら、私達はここから出て行きますから…」
「何言ってんの、リュリュ!地獄の帝王よ!ミルドラースみたいに人間を滅ぼそうとするに決まってるでしょ!」
「ポピーちゃん………そ、そんな事聞いてみなきゃ分からないじゃない!」
「じゃ、聞いてみましょうよ!」

「「「「「え!?」」」」」

「ちょっとおっさん!そのエステティシャンの所に案内しなさいよ!直接聞くから!!」
「エ、エスターク様だ!間違えるな!!」
「ごめんなさい、バトラーさん。直接聞いて、私達に害は無いと分かったら大人しく帰るから…」
リュリュはヘルバトラーに優しく『ベホマ』を唱える。
リュリュを見て驚いた顔をするヘルバトラー。

「良かろう…付いて来るがよい…」
まさか本当に連れて行ってくれるとは…
ポピーが言っていたけど、リュリュは男を惑わす魔性の女ね…
無自覚だけど…

マーサSIDE END



 
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