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星河の覇皇

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第七十一部第四章 引き継ぎその十一

「どうしてもな」
「年齢ですか」
「多分な、若い時が懐かしい」
 オグモは少し苦笑いになり言った。
「ああして飲めるのだからな」
「そうですね」
「今日はもう一杯で終わりだ」
 マティーニだけを次から次にという感じで飲んでいたがというのだ。彼にしても後ろの水兵達程ではないがいい勢いだ。
「これで休む」
「それでは」
 最後の一杯の用意がされる、そしてオグモはそれを飲んだ。それから自分の部屋に戻りゆっくりと休んだ。
 次の日艦の会議室に艦隊司令達が集まっていた、司令達はそれぞれオグモに集まった時の儀礼として名乗った。
「第六十一艦隊司令ミラク=ゴラゴス中将です」
 大柄な黒人だ、出身はソマリアだ。
「第六十二艦隊司令タラク=アクラ中将です」
 痩せた長身の男だ、出身はガーナだ。
「第六十三艦隊司令コルーン=ヤウンデ中将です」
 赤髪のやや小柄な太った男だ、出身はカメルーンである。
「第六十四艦隊司令オゴム=ヌミン中将です」
 サッカー選手の様な引き締まった身体に青い目が印象的だ。ブルンジ人だ。
「第六十五艦隊司令カン=ムワンザ中将です」
 緑の目の黒人だ、顔はアジア系のものだ。ウガンダ人である。
「第六十六艦隊司令サン=キサン中将です」
 金髪の長身の黒人だ、ルワンダ人である。
「第六十七艦隊司令ニャメ=ハルツ中将です」
 モデルの様なスタイルの美女だ、スーダン人だ。
「第六十八艦隊司令エリザ=アガデス中将です」
 小柄なアフリカ系の女だ、目の色は灰色だ、ニジェール人である。
「第六十九艦隊司令アトル=バンギ中将です」
 アジア系の肌だがアフリカ系の顔をしている、中央アフリカ出身だ。
「第七十艦隊司令モンセラ=ベルデ中将です」
 目は紫で肌は漆黒でコーカロイド系の顔である。セネガル出身の女だ。
 この十人がオグモの指揮下にある艦隊の司令達だ、皆アフリカ出身であるので第六軍団は通称アフリカ軍団とさえ言われている。
 皆オグモの下で勇将と知られている、この辺り猛将とされるオグモに相応しい艦隊司令達なのかも知れない。
 その彼等が敬礼してから名乗ってからだ、オグモは言った。
「昨日の各艦隊の報告を聞かせてもらったが」
「はい」
「如何でしょうか」
「満足すべき状況だ」
 オグモは司令達にまずはこう答えた。
「やはりな」
「左様ですか」
「満足すべきですか」
「落伍している艦艇は一隻もなくだ」
 各艦隊即ち軍団全体でというのだ。
「航宙も順調だ」
「遅れを取り戻している」
「だからですね」
「満足すべきである」
「そうだというのですね」
「そうだ」
 まさにとだ、オグモは司令達に答えた。
「いい状況だ、ではだ」
「このままですね」
「このままの速度で航宙を続けますね」
「速度を速めていき」
「落伍する艦艇もない様にして」
「その様にな、それでなのだが」
 ここで彼は司令達にこの話をした。
「引き継ぎの際義勇軍と合流するが」
「はい、そうなります」
「このままいけば予定時間には間に合います」
「その際レセプションを行いたいが」
 このことを言うのだった。 
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