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星河の覇皇

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第七十一部第四章 引き継ぎその六

「あくまでだ」
「はい、時間があればですね」
「その場合はですね」
「パーティー等を開く」
「そうしますか」
「時間がないとな」 
 どうしてもというのだ。
「それも無理だ」
「そうなりますね」
「結局のところは」
「時間次第ですね」
「そうだ、あくまでな」
 時間に余裕があるかどうかというのだ。
「それで決まる」
「そういうことですね」
「では今はですね」
「予定通り進むだけですね」
「それだけですね」
「予定時間に到着出来ればだ」
 その場合はというと。
「その時間もあるだろうが」
「遅れますと」
「それは、ですね」
「出来なくなりますね」
「残念ながら」
「将兵の諸君は美味い酒に馳走を楽しめなくなる」
 少しだ、オグモはジョークも入れた。
「そうなる」
「では将兵達にそうも言いますか」
「美味い酒や馳走を楽しみたければ急げ」
「その様に」
「それには及ばない」
 幕僚達の言葉はいいとした。
「あくまで間に合うかどうかだ」
「それ次第であり」
「別にそうして急がせることはですか」
「しなくてもいい」
「そうお考えですか」
「そうだ、間に合えばそれでいい」
 あくまでというのだ。
「そして遅れるとな」
「レセプションは諦め」
「そして、ですか」
「素早く引き継ぎを行う」
「そうするだけですか」
「そういうことだ、ではこのまま急がせる」
 軍団の進行をだ、彼等はオグモの命令通り全体の速度を速めてそのうえで目的地に向かっていた。その途中で。
 オグモも休憩を取っていた、彼は艦内のバーで飲んでいた。連合軍のバーも他の施設と同じく階級に関係なく出入り出来る。
 彼はカウンターで飲んでいる、だが後ろの席では若い水兵達が飲んでいる。彼等は軍団司令が飲んでいることに気付かないまま飲みつつ談笑していた。
「ここのモヒートいいな」
「ブラッディマリーもいいぜ」
「この店カクテルいいんだよな」
「そうそう、かなりな」
「いい酒出してくれるぜ」
「ワインだってな」
 こうしたことを話していた、そのうえで次々と飲んでいる。オグモはその彼等を横目で見つつマティーニを飲んでいるが。 
 バーテンダーはその彼にだ、こう言った。
「司令、次でですか」
「イチダースか」
「はい、それだけになります」
「飲むとな」
 オグモはそのマティーニを飲みつつバーテンダーに答えた。このバーテンダーは軍属であり正規の軍人ではない。
「コーヒー私はどうしてもな」
「止まらないですか」
「完全に酔うまでな」
「足にくるまで、ですね」
「飲んでしまうな」
「そういえばそうですね」
 バーテンダーもこう返した。 
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