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星河の覇皇

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第七十一部第四章 引き継ぎその五

「別の世界の人間だとな」
「思っていました」
「どうしてもです」
「他の国の人間と」
「ひいては他の世界の人間とです」
 サハラから来た難民、義勇軍の彼等をというのだ。
「無意識のうちにとはいえ」
「どうしても」
「そのことに気付いた」
 オグモにしてもというのだ。
「彼等を見ていてな」
「差別のない国にしても」
「それでもですね」
「そう思っているだけで」
「我々が」
「実は違っていた」
 階級がなく民族、宗教での差別も職業でのそれもない。連合はそうした意味でも自由な国と言われてきたのだ。
 だがそれは連合の中だけのことであり。
「外に対してはな」
「違っていた」
「それが、ですね」
「やはり連合にも差別があった」
「そうなのですね」
「私も気付いた、やはり差別や偏見はな」
 そうしたものはというのだ。
「連合にもある、そしてな」
「それは、ですね」
「連合のそうしたものはですね」
「気付いてならなおしていく」
「そうあるべきですね」
「そうだ、是非な」
 何があってもというのだ。
「そうしていこう、さもないとエウロパと同じだ」
「階級社会のあの国と」
「貴族が平民を支配している」
「あの国とですね」
「エウロパは差別を肯定している」
 連合ではこう考えられている、エウロパは階級という差別を肯定しそのうえで社会を構成しているとだ。貴族は悪辣な支配者とされているのだ。
「そしてそれはだ」
「間違っていますね」
「人としてあってはならない」
「そうした社会ですね」
「階級社会なぞ」
「そうだ」
 まさにとだ、オグモはまた言った。
「そうした国にあってはならない」
「エウロパと同じにならない為にも」
「そこは、ですね」
「なくさないとならない」
「そうなりますね」
「そう考える、引き継ぎの際出来ればな」
 こうも言ったオグモだった。
「親睦のレセプションを開きたいが」
「我々と義勇軍のですね」
「双方のですね」
「親睦を深めていきたい」
「そうお考えですか」
「レセプションを通じて」
「パーティー等を開いてな」
 その様にしてというのだ、連合軍というか連合ではよくパーティーを開きそのうえで親睦を深めているのだ。
「そうしてな」
「我々と彼等が交流し」
「そして、ですね」
「パーティーの中で親睦を深める」
「そうしていきますか」
「その様にな、だが」 
 そう思うがしかしともだ、オグモは幕僚達に言った。 
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