星河の覇皇
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第七十一部第四章 引き継ぎその二
「確か」
「今は我々と同じだがな」
オグモも答えた、今の義勇軍は正規軍と同じく兵士はセーラー服で下士官と士官はブレザーだ。それぞれ夏は白、冬は黒のだ。士官は帽子の顎紐や裾の階級を表すモールが付いてそれが金色になっている。
「しかしだ」
「その軍服も変わるのですね」
「これからの義勇軍は」
「そうなりますね」
「その様だ、既に兵器は義勇軍用のものだが」
突撃用に火力と前面の防御力が強化されエンジンもチューンアップされている。
「軍服もな」
「変わりますね」
「そちらも」
「これからは」
「そうなる様だ」
まさにというのだ。
「確定事項ではないが」
「国防省で、ですか」
「そうした話になっていますか」
「義勇軍は変わる」
「そうなるのですね」
「その様だ、しかしだ」
ここでこうも言ったオグモだった。
「義勇軍への目が変わればいい、もっと言えばだ」
「難民への偏見ですか」
「それが変わればいい」
「司令はそうお考えですね」
「その様に」
「そうだ、どうもだ」
オグモはこのことは首を傾げさせながらだった、そのうえで幕僚達に言った。
「連合という国自体にあるな」
「難民への偏見ですね」
「それが」
「もっと言えば連合市民以外へのな」
これはマウリア国民に対してもだ、どうしても連合という国には彼等と他の国への違いという意識が強く働いているのだ。
「それがあるからな」
「どうしてもですか」
「それが気になっていて」
「司令としてはですか」
「その偏見が気になりますか」
「連合は他の国への関心が薄くだ」
そしてというのだ。
「他国の市民への偏見が確かにある」
「そのサハラやマウリアですね」
「エウロパは言うまでもなく」
「偏見が強く」
「それが義勇軍に対しても出ていますか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「それが気になっていてだ」
「懸念されていましたか」
「正規軍と義勇軍の感情的な軋轢」
「難民に対する連合自体の感情も」
「そして他国への感情も」
「私は偏見はだ」
それはというと。
「これは好きになれない」
「それは司令個人のお考えで」
「そうなのですね」
「そうだ、軍人は出来る限り偏見がない方がいい」
こうした考えだった。
「公平に見ないとだ」
「どうしてもですね」
「誤ってしまう」
「部下を見る目も」
「そして相手もですね」
「偏見を以て相手を見ると見誤る」
どうしてもそうなるというのだ。
「戦力も何もかもな」
「そういえばです」
ここで幕僚の一人が言った。
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