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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その三十四

「そのステーキを食べてもらっているのだ」
「そういえばです」
 司令の一人がここでこう言った。
「スパムですが」
「何かあったか」
「はい、缶詰ですが」
 二十世紀に生み出された、その時からの食品だ。
「これが存外です」
「美味いな」
「はい」
「保存もきく」
 缶詰故にだ。
「そうした意味でもいい」
「その通りですね」
「優れた食品だ」
「栄養価も高いですし」 
 豊富な動物性蛋白質だ、肉であるから。
「その意味でも」
「そうだな、ステーキにしてもいいしな」
「全くですね」
「ただしだ」
 ここでこうも言ったオグモだった。
「このスパムは豚肉のスパムだ」
「本来のスパムですね」
「伝統的な」
 この時代では牛肉や羊肉のスパムもある、それぞれの肉でスパムを造ってそれで食べているのである。
「そして豚肉だから」
「だからこそですね」
「我々の中にムスリムがいれば」
「その場合は」
「これがサハラのムスリムなら最初から出せない」
 イスラムの教理が連合よりも遥かに厳しいからだ。
「しかし連合だからな」
「はい、何とかですね」
「口に出来ますね」
「事前にアッラーに謝罪すれば」
「そのうえで食べられますね」
「そうだな、もう謝罪しているか」
 艦隊司令のうちの二人程を見て話した。
「そちらは」
「はい、既に」
「謝罪しています」
 その二人が答えた。
「スパムを見た時点で」
「そうしています」
「そうか、ではいい」
 オグモも彼のその言葉を受けて頷いた、そのうえでまた言った。
「このまま食べよう」
「それでは」
「そのうえで」
 艦隊司令達も応えて食べる、ステーキだけでなく他のメニューも。そしてそのうえで司令達は自分の艦隊に戻っていった。 
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