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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その三十

「だからだ」
「お嬢さんと呼ばれる」
「まさに箱入りですね」
「箱入り娘の様に弱い」
「そうだと」
「そう言われない為には強くなることが必要でだ」
「そして強くなる為にですね」
「訓練を行う」
「今以上に」
「そういうことですね」
「そうなる、連合軍はよりよくする必要がある」
 現状維持にはならない、オグモの考えははっきりとしていた。連合軍にいてその中から考えて言っていることだ。
 そしてこうした話の後これからの会議になるとだ、彼は旗艦に集まった各艦隊司令達にこうしたことを言った。
「各艦隊の速度はだ」
「はい、このままですね」
「十パーセント速度を上げたまま」
「巡航速度よりもですね」
「目的地に向かうのですね」
「そうだ、予定時間までにはだ」
 定められたそれまでにというのだ。
「現場に到着しないといけない」
「はい、では」
「速度はこのままで進みます」
「落伍がない様にも注意し」
「そのうえで」
「一隻も落伍しないことだ」
 このこともだ、オグモは絶対と話した。
「そこも注意していてくれ」
「承知しています」
「そのことは」
「今のところ全艦隊で落伍はありません」
「ですから」
「このままですね」
「そうだ」
 まさにとだ、オグモは艦隊司令十人の彼等に答えた。
「十個艦隊からな」
「幸い戦闘で破損した艦艇も修理されていますし」
「故障も即座に修理出来ています」
「落伍している艦艇はありません」
「一隻も」
「若し故障で落伍するならばだ」
 そうした艦艇にはというと。
「港に戻る様にな」
「そして港で、ですね」
「入念な修理や整備を行い」
「そのうえで次の目的地に向かう」
「そうしろというのですね」
「そうだ、そうしてだ」
 まさにというのだ。
「来る様にな」
「我々の次の治安確立対象宙域に」
「そこにですね」
「そうした艦艇があろうとも」
「それでもですね」
「無論航宙中には気をつけることだ」
 事故や海賊達の襲撃にはというのだ、軍艦も一隻ならば徒党を組んだ海賊達に襲撃をかけられたりするのだ。物資等を狙われて。 
 だからだ、オグモはこう言った。
「落伍艦には護衛をつけてな」
「そのうえで、ですね」
「港に戻り修理や整備を受ける」
「ですが護衛もですね」
「必要ですね」
「一隻では狙われる」
 気をつけろと言ってだ、オグモはすぐに言った。
「それでだ」
「護衛が必要ですね」
「数隻なら海賊達も襲ってきませんし」
「災害にも対応出来ますし」
「是非付けるべきですね」
「一隻であった為に損害が増えた話もある」
 第二次世界大戦末期のアメリカ海軍の巡洋艦インディペンデンス等だ、この艦はサイパンに原子爆弾を送った後で日本軍の潜水艦に夜間単独行動だったので攻撃を受けて撃沈された。そしてその後でにき残った船員達は鮫に襲われた。単独行動だったので救助が遅れ多くの者が鮫の餌食となってしまったのである。 
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