| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一部第三章 小国出身者その二十

「そうでした」
「大国の持つ国軍は国力に応じた軍隊を持っていた」
 尚連合各国の軍事費つまり国防予算はその国の総生産の一パーセントに留まることが暗黙の了解とされていた、中央政府の法律で有事には中央政府の指揮下に入ると定められていることもあり各国の国力に合わせての予算が定められていたのだ。何処かの国軍が連合の中で突出して中央政府のコントロールを逸脱することを避ける為にもだ。
「それだけにだ」
「元帥という階級も」
「存在していた、しかしだ」
「まさに各国で、でしたね」
「一人だった、日本は大抵二人だったが」
 この国の場合はそうだった。だがオグモはウッディにさらに話した。
「一人は制服組のトップでだ」
「統合幕僚議長でしたね」
「統合作戦本部長だったのではないのか」
「名前が違ったのでは」
「そこはか」
「はい、日本軍は」
 この国の軍はというのだ。
「自衛隊時代にそうした名称で」
「そのままか」
「今もそうだったのでは」
「私は統合作戦本部長と聞いたが」
「お国では」
「私の国ではそう呼ばれていたが」
「そうですか、私の国ではです」
 それぞれの国の言葉ではというのだ、要するに。
「そうなっていましたし銀河語では」
「同じだったか」
「統合作戦本部長でも統合幕僚議長も」
「同じ意味だしな」
「そうなっていたかと」
「どうも言葉がな」
 オグモは微妙な顔で話した。
「何かと」
「難しいですね」
「銀河語ではそうでも」
「各国語では違っていてな」
「はい、複雑なことになっていますね」
「同じ意味でもだ」
「どうも日本の軍事用語は特殊で」
 結局は同じ役職だ、統合作戦本部長でも統合幕僚議長でも。制服組のトップとして軍を統率する立場だ。
「銀河語では同じでも」
「各国語になるとな」
「違っていたりしますね」
「そうだな、だがとにかくだ」
「はい、制服組のトップが元帥で」
 日本においてもだ。
「そしてもう一人ですね」
「常に元帥が存在するが」
「しかしその元帥は」
「防衛大臣ですが」
 これも銀河語では国防大臣となっているし各国の言葉では国防大臣だったり防衛大臣になっていたりする。
「文民が閣僚に任じられますが」
「しかしだな」
「はい、階級が名誉的に与えられます」
 日本ではだ。
「防衛大臣には」
「首席元帥の階級がな」
「そうなります、そして総理はです」
 閣僚達の首座である行政府の長であるこの立場の者はだ。
「階級はありませんが」
「軍のそれはな」
「ですが最高司令官代理としてです」
「軍を統率しているな」
「そう定められています」
 尚国家元首である天皇陛下が最高司令官であり大元帥であるとされている、この時代の日本においては。
「元帥より上にある」
「文民統制に基づいたな」
「最高司令官です」
 実質的な、だ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧