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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その二十一

「そうなっています」
「そうだったな」
「あの国だけですね」
「名誉的に閣僚に元帥の称号を与えることはな」
「はい、あくまで儀礼です」
 元帥の軍服も与えられるがだ、詰襟の日本軍のそれがだ。そして儀礼の時に礼装として着用するのである。
「それは」
「そうだったな」
「とかく連合全体でもでしたね」
 中央政府軍が創設される前からだ。
「元帥は僅かでしたね」
「三十人いるか」
「その程度でしたね」
「だからだ、私もだ」
「元帥までは、ですか」
「考えていなかったしだ」
 そして今もというのだ。
「考えていない」
「そうなのですね」
「むしろ軍司令官になればだ」
 大将のままだ、そうなればというのだ。
「百個艦隊を統率してその立場から連合の宇宙艦隊全体の改革を具申出来る」
「その方がですね」
「いい、私としてはな」
「連合軍は、ですね」
「より、だ」
「今以上に訓練を行い」
「精強になるべきだ」
 これがオグモの考えである、連合軍に対する。
「今が悪いとは決して思わないが」
「訓練を増やすべきですか」
「訓練を重ねてこそだ」
 まさにというのだ。
「精強な軍隊になりだ」
「精強な軍隊こそがですね」
「あるべき姿だ」
 軍隊のそれだというのだ。
「まさにな、だからそう考えているのだ」
「精強な軍隊ですね」
「連合軍が強いかというと」
「正規軍に関しては」
 つまり彼等の場合はだ。
「どうにも」
「そうだな」
「はい、訓練の時間は短く」
 ウッディから見てもだった、正規軍はどうしても。
「その分です」
「弱いな」
「連合弱兵と言われていますが」
「まさにその通りだな」
「はい」
 ウッディも否定しなかった。
「そのことは」
「どうしてもな」
「連合軍は弱いです」
 正規軍はというのだ。
「訓練をあまりしていないので」
「先のエウロパ戦役でもそれが出ていたな」
「はい、連合軍は弱兵でした」
「損害は非常に少なかったですが」
「正規軍だけで戦っていればだ」
 義勇軍を前線に出さずにだ、エウロパ戦役でも義勇軍は常に陣頭に立ってそして戦っていたのである。その彼等がいたこそだ。
「損害はだ」
「より、ですね」
 ウッディも応えて話した。
「確実に増えていましたね」
「果たしてどれだけの損害だったか」
「わからないですね」
「そうだった、義勇軍の存在は有り難いが」
「彼等にはですね」
「頼らずにだ」
 それでというのだ。 
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