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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その十七

「終わったな」
「そうなったな」
「ここの宙域はな」
「少なくとも俺達のやることはな」
「だから引き継ぎをやってか」
「別の宙域に行くか」
「そうなるんだな」
「そうだな、まあ次の宙域もな」
 彼等はカレーとそこにあるハンバーグを食べていた、カレーライスの横にはサラダとゆで卵、それに牛乳もある。
「やることは同じか」
「今度は敵がまだいるらしいな」
「じゃあ見付けてそしてな」
「倒していくか」
「そうしていくか」
 こう話していく、そして。
 その中でだ、彼等は話してだった。そのうえで。
 彼等は今度は正規軍についてだ、こうしたことを言った。
「それで正規軍がここに来るか」
「連中はどうなんだろうな」
「いつも楽な仕事受け持ってるが」
「あいつ等はお嬢さんみたいだな」
「正規軍のお嬢さんだな」 
 笑ってこう言うのだった。
「訓練も楽でな」
「いつも危険な場所には二番目に入るな」
「最初に入るのは絶対に俺達だ」
「火事場にはな」
「そして火事が収まったらな」
「お嬢さん達が来る」
「毎回そうだな」
 連合軍の戦術だ、まずは義勇軍が来て戦いそれから正規軍が来る。そのうえでことを進めていくのである。
 だからだ、治安確立の任務もなのだ。
「俺達が危ない奴を抑えて」
「後で正規軍が来る」
「そのパターンだな」
「そればかりだな」
「まあそれが俺達の仕事だな」
 兵士の一人が笑って言った。
「義勇軍のな」
「真っ先に火事場に飛び込んで戦う」
「それが仕事だからな」
「高い給料も貰ってるし」
「当然だな」
 何だかんだで納得した彼等だった、そうして。
 その話をしながら彼等は食事の後で午後も引き継ぎの仕事をした。今の彼等の仕事も順調だった。
 その引き継ぎを受ける正規軍第六軍団を率いるオグモは新しい任地に向かいながらだ、自身の幕僚や艦隊司令達に言った。
「急がないとな」
「はい、そうですね」
「やや状況が遅れています」
「ではです」
「急がねばならないです」
「急いで任地に向かいましょう」
「義勇軍が待っています」 
 幕僚達も艦隊司令達も言う、軍団の旗艦となっているティアマト級戦艦ダゴンの会議室の中において。
「予定より速度を速めましょう」
「軍団全体の速度を」
「そうしよう、だがだ」
 こうも言ったオグモだった。
「突然の磁気嵐とはな」
「はい、報告にありませんでした」
「まさか急に出て来るとはです」
「思いませんでした」
「それに軍団全体がかかるとは」
「迂闊でした」
「外縁部は常にだ」
 冷静そのものの口調で言うオグモだった。
「事前に調査をしていてもな」
「それ一年辺りの期間のことで」
「数年に一度の自然現象となりますと」
「発見されていないものもありますね」
「どうしても」
「それがだ」
 まさにだったというのだ。 
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