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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その十六

「しかし連合市民になればな」
「サハラからの難民から成る国家もあります」
「先程ハサン王家も入りましたが」
「あの連合国家もですね」
「あの国の市民になることが多いですね」
 元々難民が連合に入って成立した国である、だから難民がその国の市民になることが多いのである。これは連合の難民への政策にもなっている。
「では我々も」
「市民になれますね」
「義勇軍にいるとなりやすいですし」
 入らずとも一定期間連合で過ごしているか連合で生まれるか連合市民と結婚すれば即座に市民権を得られる手続きが行える様になる。
「義勇軍にいれば二年です」
「五年が二年になります」
「我々もそれで入った面もありますが」
「連合市民になれば」
「法的な待遇の違いがなくなりますね」
「その通りだ、連合にも差別はあるが」
 しかしというのだ。
「全体的にそれは弱いか」
「そうした国ですね」
「少なくとも宗教的なそれは薄く」
「民族、宗教もない」
「市民は法的には完全に平等です」
「それが認められていますね」
「その通りだ、優秀な者でも小国出身なら元帥にはなれないが」
 少なくとも今の時点ではだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「全体として差別は少ない」
「そうした国家ですね」
「そう見ていいですね」
「そう思う、この国はな」
 こうしたことを話したサチフだった、そして。
 引き継ぎの用意を進めていた、彼の軍団の動きは整然としていた。
 兵士達も同じでだ、その作業を統制が取れた動きで行っていた。そのうえで昼食も楽しんでいたがその昼食についてだ。
 若い兵士がカレーを食べつつだ、同じものを食べている同僚に言った。
「ハンバーグカレーはな」
「ああ、今食ってるカレーか」
「これ何杯でも食えるな」
「そうだな」 
 同僚も頷いて同意を見せた。
「三杯位はな」
「普通に食えるな」
「ああ、しかしな」
「そこまで食うとな」
「太るぜ」
 このことを言うのだった。
「やっぱりな」
「それが問題だな」
「食ったらそれだけはな」
「トレーニングもしないとな」
「艦内でな」
 そこのトレーニングルームでだ。
「しっかりとな」
「そうだよな」
「ああ、カレーの時はな」
「どうしても食うな」
「クスクスもな」
 こちらの料理もだというのだ、カレールーに似たソースを小麦粉にかけて食べる所謂小麦粉版のカレーライスだ。
「いいな」
「そうだよな」
「連合だとな」
「特にな」
「美味いからな」
「ついつい食い過ぎるな」
「ああ、それでな」
 ここでこの話が出た。
「あとちょっとで俺達ここを去るな」
「そうだな」
「作戦は一旦終わってな」
「そしてだな」
「治安確立か」
「それもやってたけれどな」
 それがというのだ。 
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