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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その十五

「だから正規軍のそのこともな」
「驚きましたね」
「それも非常に」
「こうしたことがあるのかと」
「様々な宗教の者が共にいる」
「そうした国の軍隊はこうなのかと」
「私も驚きました」
「私もです」
 幕僚達も口々に言う。
「神父も牧師も僧侶も神官もいて」
「当然法学者もいます」
「彼等全てが融和しています」
「このことは驚愕すべきことです」
「エウロパもそうだったな」
 エウロパもキリスト教の他のギリシアや北欧の神々が信仰されている。軍人達はアテナやオーディンを信仰していることが多い。
「神父も牧師も神官達もだ」
「やはり特に争わず」
「融和していますね」
「あの国にしても」
「複数の宗教が共存していますね」
「それはいいことだ」
 非常にとだ、サチフはエウロパについてもよしとした。
「ジハードはあるにしてもな」
「他の宗教は認めるべきですね」
「コーランにもあります」
「ジズヤさえ支払えばです」
「許すべきとありますから」
「他の宗教はあっていい」
「地獄には落ちますが」
 異教徒であるならばだ、イスラムでは異教を信じる者達は必ずそうなると教えられているのだ。
「しかしですね」
「その信仰は許すべき」
「イスラムの考えですね」
「その通りだ、だが連合はまた極端だ」
 その宗教的寛容さはというのだ。
「エウロパ以上にな」
「宗教の数も多いですし」
「そのそれぞれの宗教が融和していてです」
「ローマ法皇も様々な宗教の代表者に歓迎されていました」
「宴にも招かれ」
「そして親睦を深めていました」
「そのうえで新たな場所に入りました」
 用意された星系にだ、早速多くの信者達が連合中から詣でていてツアー等で観光業界を潤すことになっている。
「連合の宗教会議にもカトリック代表として出席していて」
「よく他宗教の重鎮と会談しています」
「イスラムの高名な法学者とも」
「それが連合の宗教ななのですね」
「信仰の違いは関係ない」
 連合においてはだ。
「そのことはいいことだな」
「元帥になるにもですね」
「軍においても」
「それは関係がありませんね」
「特に」
「そうだな、そうした差別はないな」
 連合においてはだ。
「特に」
「大国と小国の問題はありましても」
「宗教のそれはないですね」
「それに民族や人種についても」
「それはないですね」
「我々でもな」
 難民である自分達もとだ、サチフは話した。
「一世はともかくだ」
「それが二世三世となり」
「連合市民となり浸透しますと」
「別に、の様ですね」
「差別もなくなる様ですね」
「今は難民としての扱いを受けている」
 法的にだ、そうなっているのだ。 
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