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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その十二

 連合では将官は基本大卒か士官学校卒業でないとなれない、しかも無能であるならば准将止まりの場合もあり一般大学卒業者はおおむね中将止まりだ。
「元帥からはな」
「そうなりますね」
「民主主義では」
「何故か元帥が少なくなりますね」
「我々から見ますと妙です」
「功績がそのまま階級とならないですから」
「役職だな」
 これを見られているというのだ。
「元帥相当の役職が少ないのだ」
「軍のまさに最高幹部ですね」
「統合作戦本部長や各軍管区の司令官」
「軍集団の司令官や総監」
「そうした役職が元帥ですね」
「それが三十だ」
 元帥相当の役職がというのだ。
「その結果だ」
「どうしてもですね」
「元帥が少なく」
「大国のエゴが加わり」
「小国の者は元帥になれないですね」
 尚中将から大将になれるのも一気に減る、大将の数は中将の三分の一程度いまで少ないのである。
「連合は」
「どうしても」
「連合の軍制度を考えるとだ」
 どうしてもとも言うサチフだった。
「元帥は少ないか」
「功績よりも役職」
「それが重要なので」
「そうなりますか」
「連合軍はな、サハラではだ」
 彼等の祖国となる地域ではだ。
「功績重視だからな」
「国によってはです」
「その規模よりも多く元帥がいます」
「連合の数十分の一の規模の軍隊に元帥が十人いる」
「そうしたl国もありましたね」
「そうだ、軍功次第でだ」
 まさになのだ。
「元帥になる」
「そういえばアッディーン大統領もですね」
 幕僚の一人が彼の名前を出した。
「あの方も」
「そうだったな」
「はい、功績を挙げられて」
「元帥になったな」
「そうでした」
「役職は後から来た」
 アッディーンの場合はだ。
「軍功を挙げ昇進していってだ」
「分艦隊司令官、艦隊司令となり」
「元帥になりオムダーマン軍の司令官になりましたね」
「軍担当の副大統領になり」
「そして大統領になりましたね」
「サハラは乱世の中にある」
 千年余りだ、その中で多くの国が興亡を繰り返してきた。今の二国だけの状況に至るまでの歴史である。
「ならばな」
「功績重視でないとですね」
「軍隊は動きませんね」
「優れた者がそれ相応の立場にある」
「そうでなければ」
「滅んできた」
 サハラではというのだ。
「まさにだ」
「その通りですね」
「無能な者が要職に就いて滅んだ国も多いです」
「サラーフ等がそうでした」
「あの国もでしたね」
 そのアッディーンが滅ぼした国だ、彼は兵力に勝るこの国を華麗に打ち破り滅ぼしたことでも知られている。 
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