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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その十

「やがてはだ」
「元帥ですね」
「そして元帥の役職にですね」
「就くことが出来ますね」
「そう思うが」
 しかしとだ、ここでサチフは口調を変えた。
「そうもいかない様だな」
「小国ですね」
「小国出身ですか」
「それではですね」
「元帥には」
「なれない、優れた人物だが」
 サチフはまたこのことを指摘した。
「チャド出身か」
「元はアフリカの国ですね」
「その中の一国です」
「アフリカ系の大国は南アフリカ、ケニア、ナイジェリア等ですが」
「チャドは小国ですね」
「そう言っていいですね」
「そうだな、連合の中でもだ」
 全体から見てもというのだ、連合の。
「やはりな」
「小国ですね」
「どうしても」
「そうなりますね」
「人口も国力も」
「保有している星系も」
 そして産業や資源から見てもだ、チャドはお世辞にも大国と言えないというのだ。連合は三百以上の国があるが各国の間で国力に差があるのは当然だ。
 そしてだ、連合軍で小国出身者はなのだ。
「やはりな」
「元帥には、ですね」
「軍人の最高の階級にはですね」
「なりにくいですね」
「どうしても」
「そうだな、限にこのコリン=オグモ大将は」
 サチフの手には引き継ぎを行う正規軍第六軍団の司令と幕僚そして各艦隊司令についてのファイルがある、そのオグモの経歴を見るとだ。
「立派なものだ」
「典型的な実戦タイプの指揮官ですね」
「戦場で果敢に戦い敵を倒しています」
「勇気があり作戦指揮も的確です」
「部下の統率も上手です」
「人望もある様ですが」
「しかもまだ若い」
 大将にしてはというのだ。
「あと一つ、元帥にはな」
「なれる位にはですね」
「お若いですね」
「ですが、ですね」
「この方もこれ以上は」
「なれないだろう」
 頭打ちだというのだ、連合軍の中においては。
「残念だがな」
「そうでしょうね」
「幾ら優秀でもです」
「小国出身であられる為」
「どうしても」
「残念な話だ、大国出身者ならだ」
 まさにというのだ。
「元帥になれただろう」
「アメリカや中国出身なら」
「オーストラリアやモンゴルでもですね」
「元帥になれましたね」
「連合の大国出身なら」
「そうなっていた、モンゴルもだ」
 今度はこの国についてだ、サチフは話した。 
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