| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一部第三章 小国出身者その八

「そしてだ」
「軍隊でもですね」
「士官ですね」
「確実に」
「下士官、兵士にはだ」
 貴族はというのだ。
「ならない」
「そうした課程もですね」
「そもそも受験から省かれています」
「士官は一般士官課程や士官大学」
「その課程のみです」
「パイロット等の課程もだ」
 そちらでもなのだ。
「平民ならばパイロットになれば士官だが」
「貴族の場合はですね」
「最初から士官ですね」
「少尉からはじまります」
「エウロパでは」
「貴族は違う」
 平民とはとだ、サチフは言い切った。
「階級の違いは大きい」
「エウロパでは」
「まさにですね」
「あの国はあの国で、ですね」
「そうした違いがありますね」
「むしろ連合以上にだ」
 むしろというのだ。
「あの国の違いは大きい」
「階級のそれは」
「功績以上にですね」
「将官も貴族が多いですし」
 このことも事実として存在している。
「平民よりも昇進が早いです」
「このことも考えますと」
「あの国もですね」
「功績が素直に評価されていませんね」
「連合の方がましでしょうか」
 彼等から見ればだ、サハラでは基本階級は存在しない。全ての者がアッラーの僕であるというムスリムの考えに基づいている。
「むしろ」
「入隊の課程が影響するにしろ」
「それでも」
「かなりましでしょうか」
「そうかもな、だがやはり功績はだ」
 命を賭けた武勲、それはというのだ。
「やはりな」
「重要ですね」
「それが正当に評価されることは」
「有り難いことですね」
「我々の様に」
「やはり我々は軍人だ」 
 サチフは幕僚達に言った。
「もっと言えばマムルークだ」
「アッラーの戦士であり」
「功績により昇進していくもの」
「そういうものですね」
「その通りだ、我々はだ」
 まさにというのだ。
「功績が全てだ」
「だからこそ義勇軍はいいですね」
「功績がそのまま昇進につながる」
「一兵士でも功績を挙げれば提督になれる」
「そうした軍隊だからいいですね」
「流石に一兵士から提督になったことはないが」
 義勇軍でもだ、今だにである。
「しかしだ」
「はい、それでもですね」
「二等兵から大佐まではあります」
「エウロパ戦役や海賊討伐で何度も死線をくぐり抜けて」
「そうしたうえで」
「我々は常に火事場に入っている」
 それも真っ先にだ、義勇軍は常に最も危険な戦場に向けられている、このことは変わらないことである。
「その分だけな」
「功績も挙げられます」
「死ぬ者も多いですが」
「それでもです」
「昇進もです」
「給与も影響しています」
「だからいい、元帥になれずともだ」
 それでもとだ、サチフはまた言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧