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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その六

「連合の悪い面が出ている話だ」
「各国の権限が強く」
「中央政府の政策にも介入している」
「特に大国のエゴですね」
「それが出ていますね」
「悪い話だ、しかも国防長官の国の者はな」
 この場合は日本人となる、その国防長官である八条自身が日本人だからだ。
「元帥になれない様だしな」
「そうですね、実際にです」
「今現在日本人の元帥はいません」
「三十人の元帥達の中にです」
「日本人の元帥はいません」
 幕僚達も言う。
「連合の大国の中から一人ずついますが」
「日本人の元帥となりますと」
「連合四大国の中で、です」
「唯一です」
「それを見るとどうにもな」
 サチフはまた言った。
「この話が真実に思える」
「噂ではなく」
「連合軍元帥は大国出身者しかなれない」
「国防長官の国の者は元帥になれない」
「そのことは」
「真実に思える、根拠のない話だが」
 サチフが今言った通りこの話は根拠がない、あくまで噂の域の話だ。だがそれでもこう言えることであるのだ。
「しかしな」
「状況を見ていますと」
「どうしてもですね」
「そう思えるお話ですね」
「このことは」
「そうだ、連合は大国の力が強い」
 そうした国もっと言えば国家連合だというのだ。
「あくまで今の時点ではな、しかしだ」
「はい、小国もですね」
「こちらの方もですね」
「反撃に転じる」
「そうして動くこともありますね」
「そうだ、この国はだ」
 まさにというのだ。
「小国もただ黙っていることはしない」
「小国も小国で動く」
「共に手を組み」
「そしてそのうえで大国に対抗する」
「そうもしますね」
「だとすれば小国出身者でもだ」
 連合の中のだ。
「元帥になれる様になるだろう」
「今後は」
「中央政府もそうしたいでしょうし」
 幕僚の一人がこのことを指摘した。
「やはり」
「そうだ、このことはだ」
「中央政府にしてもですね」
「大国の介入は嫌だ」
 例えそれが連合の中では地位も重要度も高くない軍のことであってもだ。
「決してな」
「だからこそですね」
「中央政府は小国のその意向を汲みたい」
「彼等としては」
「そうなりますね」
「そうなる、間違いなくな」 
 このことについてはというのだ。
「中央政府はこの場合小国と組んでだ」
「大国の介入を排除する」
「そうなり、ですか」
「元帥はどの国の者でもなれる様になる」
「今後は」
「そうなるだろう、しかし軍人はだ」
 サチフは彼の本音を言った。 
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