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暴走する正義

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第二章

「彼等は」
「懲らしめるのには容赦するな」
「民主主義を守る為だ」
「ああした奴はすぐに何とかしないとな」
「また独裁政治に戻るぞ」
 こう言ってだった、彼等は店を出た。モンドルは丁度食べ終わったのでそれでだった、彼等の後をついていったが。
 彼等は一人の男を見付けて捕まえると路地裏に連れて行ってそうして殴る蹴るの暴力を振るいだした。モンドルはそれを見て彼等に言った。
「何をしているんだ」
「何をって制裁だよ」
「こいつに制裁を加えてるんだよ」
「こいつが民主的じゃないからな」
「この前民主化する前の政権もいい部分があったとか言ったからな」
「そうか、しかしそれがだ」
 前政権、その腐敗と独裁の権化だったこの政権を擁護したがというのだ。
「君達が彼に暴力を振るう理由になるのか」
「当たり前だろ、民主的じゃないだろ」
「あの政権を擁護するなんてな」
「こんな考えの奴いたら駄目だろ」
「独裁政治に逆戻りだぜ」
「だから俺達が懲らしめてるんだよ」
「そんあ考えを捨てる様にな」
 男達はモンドルに悪びれずに答えた。
「制裁を加えてるんだよ」
「民主主義を守る為にな」
「あの革命で多くの人も死んだんだぜ」
「二度と独裁政治になってたまるか」
「革命が起こって人がまた死ぬのもな」
「それはわかる、しかし我が国は言論も自由になった」
 民主化の結果そうなったとだ、モンドルは彼等に話した。
「だからだ」
「その意見もかよ」
「意見だっていうのかよ」
「そうなのかよ」
「そうだ、だからこんなことをしてはだ」
 間違ったことを言ったからと言って暴力を加えることはというのだ。
「駄目だ、これは弾圧だ」
「何が弾圧なんだよ」
「悪い奴を懲らしめてかよ」
「それは違うだろ」
「俺達は民主主義を守ってるんだぜ」
「正しいことをしているだろ」
「民主主義を守ることはいい」
 それ自体はとだ、モンドルも認めた。
「しかし異論を否定して暴力を振るうことはだ」
「駄目だってのか」
「それはか」
「そうだ、それは犯罪だ」
 正しいことどころかというのだ。
「それ以上暴力を振るうなら警察を呼ぶぞ」
「ちっ、わかったよ」
「警察呼ばれたら面倒だしな」
「じゃあ止めるぜ」
「仕方ねえな」
「二度とこんなことをしないことだ」
 まさにと言ってだ、そしてだった。
 彼等は何処かへと去りモンドルは暴力を受けていた男性を医者に連れて行った、その次の日彼は
学生達にこのことを話して問うた。
「どう思うだろうか」
「教授の言われた通りでしたね」
「そうした人も出ましたか」
「あの政権を擁護したから民主的でない」
「だから制裁を加えたんですか」
「そうだ、これではだ」
 最早というのだ。
「前野独裁政権と同じではないのか」
「そう言われますと」
「異論を認めないという点では同じですね」
「暴力まで振るうとなると」
「しかも一方的に悪と断じてですから」
「法律にも基づいていないですし」
「彼等の行いは認められない」
 モンドルは強い声で言った。
「断じてな」
「その通りですね」
「彼等の所業を許してはならないですね」
「前の独裁政権とどう違うか」
「そうなりますね」
「そう思う、それで私は暫く日本に行くが」
 あちらの国から招待されてのことだ。 
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