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暴走する正義

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第三章

「留守の間は宜しく頼む」
「はい、わかりました」
「日本でも学ばれて下さい」
「そうされて下さい」
「それではな」
 モンドルは学生達と暫し別れそうしてだった。
 日本に赴きそこでアフリカのことやその他のことを伝え日本でのアフリカ研究に貢献しそれと共に日本のことも学んだ。
 だがここでだ、彼は日本でも会った。そうした者達と。
「あの、彼等は」
「どうされました?」
「これです」
 パソコンで日本のある学者に某巨大掲示板のとあるスレッドを見せつつ話した。
「酷過ぎないですか」
「何か一方的ですね」
「自分達の気に入らない相手に難癖をつけて」
 そうしてというのだ。
「執拗に集中攻撃を行い通報していますが」
「確かに随分な連中ですね」
「私の国にもいます」
 あの暴力を振るっていた彼等のことをここで思いだして言った。
「しかしです」
「はい、こうした人達は我が国にもいます」
「日本にもですね
「そうです、何でしたら掲示板に書き込まれますか」
「そのうえで彼等と直接ですか」
「お話されては」
「それでは」
 日本の学者の言葉に頷いてだ、そしてだった。
 モンドルは実際に掲示板に書き込んで彼等と話した。
「貴方達はここで何をされてますか?」
「決まってるだろ、民主主義を守ってるんだよ」
「ヘイトを防いでるんだよ」
「そうした連中を告発して攻撃してやっつけてるんだよ」
「それだけだよ」
 彼等はモンドルの書き込みに一斉に答えた。
「ヘイトなんて許されないからな」
「そうして何処が悪いんだよ」
「俺達は正しいことをしてるんだぞ」
「そう言う御前はレイシストか?」
「違います」
 自分が差別主義者であることはだ、モンドルは否定した。
「そのことは申し上げておきます、ただ」
「ただ?何だよ」
「どうしたんだよ」
 彼等は丁寧な文章のモンドルとは違い無頼漢の文章で書いていく。
「何が言いたいんだよ」
「俺達に随分言いたそうだがな」
「どうしたってんだ」
「貴方達は自分達の行いがどうかという人達まで攻撃していませんか」
 モンドルはこのことを指摘した。
「そうしていませんか」
「はあ?それの何処が悪いんだ」
「俺達は正しいことをしてるんだぞ」
「暴走することもあるけれどな」
「馬鹿を攻撃して何が悪いんだ」
「俺達はそうした奴には義憤をぶつけてるんだよ」
 彼等は口々にモンドルに反論した、しかも彼にはじめて言う攻撃対象を侮蔑語で呼んでだ。ここまでのことで彼は完全にわかった。
 この連中とは話をするに値しない、自分が祖国で見たその連中と全く同じ連中だとだ。それでだった。
 もう彼等と話すことはしなくなった、それで掲示板への書き込みを止めてその掲示板を目にすること自体を止めた。そのうえで日本人の学者に言った。
「私は痛感したことがあります」
「それは何ですか?」
「自分が正しいと思っていても違うことがあり」 
 そしてというのだ。 
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