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星河の覇皇

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第七十一部第二章 ゾロアスター級超巨大戦艦その三十三

「実戦テストは及第だったしな」
「むしろ予想以上です」
「予想以上の攻撃力です」
「ここまでの攻撃力とは」
「しかも射撃管制も万全です」
「そちらも」
「幾ら強力な兵器でもだ」
 ビームなりミサイルでもだ。
「敵に命中してこそだからな」
「当たればよし」
「当たらなければどうにもなりませんね」
「当たらなければどうということはないといいますが」
 日本の二十世紀後半のアニメでの言葉だ、主人公のライバルである仮面を被った軍人の名台詞の一つだ。
「実際にその通りですね」
「攻撃は命中してこそです」
「射撃管制、命中精度も」
「そうしたことも大事です」
「それも万全だった」
 ゾロアスター級超巨大戦艦もというのだ。
「これならばな」
「いいですね」
「そちらについても」
「万全ですね」
「何も悪いところはないですね」
「結果は出た」
 予想以上のそれがだ。
「こちらも問題はない、しかし」
「しかし?」
「しかしといいますと」
「何かありますか」
「まだ」
「うむ、気になることはだ」
 それはというと。
「この艦艇にもマウリア軍の士官が乗り込んでいる」
「韓戦武官として」
「そのうえで」
「彼等のことについてですか」
「思うところもありますか」
「実は先程国防省から極秘でメールが来た」
 それの話をするのだった。
「マウリア軍からエウロパ軍に技術の情報が流れているが」
「まさか」
「マウリアが故意にですか」
「情報を流している」
「エウロパに対して」
「あの国は尻尾を掴ませないが」
 このことにかけては定評がある、マウリアは連合の同盟国だがそれと共に信頼し難い国でもあるとされてきているのだ。
「そうした見方が出ている」
「では」
「この艦にも乗艦しているマウリアの武官達には」
「迂闊に何でも見せない」
「そうしていけと」
「そう言われたのですか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「国防省からな」
「わかりました」
 少将の階級の幕僚が答えた。
「そのことも」
「ではな」
「はい、そのことに注意してだ」
「乗艦してもらいますか」
「各韓戦武官に監視役をつけろと」
「国防省から指示があったのですか」
「先程な」
 今まさにというのだ。
「だからだ」
「わかりました、それでは」
「その様にしていきましょう」
「彼等に情報を渡さずに」
「そうしていきましょう」
「是非な、しかし常に思うが」
 リバーグは難しい顔でこうしたことも言った。 
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