星河の覇皇

「昇進に興味がなくともな」
「彼等に時分達の実力を見せ」
「そのうえで」
「連合ではよく人間に違いはないという」
　人種や民族による優劣はないというのだ、そうしたものは個々の努力次第で何とでもなると言ってエウロパが白人至上主義だと批判しているのだ。混血してこそ人類は正しい力を出せるとも主張していたりもしている。
「努力によってだ」
「はい、人は変わる」
「それが大事であり」
「才能があればそれを伸ばす」
「第一は努力としていますね」
「ならば我々もだ」
　連合の主張に則りというのだ。
「精進してだ」
「そのうえで」
「彼等を見返す」
「そうしますか」
「そうすればいい、私は軍の中で実力によってだ」
　まさに己の力で、というのだ。
「のし上がるつもりだ」
「連合軍の将兵達以上に」
「そうなられるのですね」
「そう考えている」
　こう話しながらだ、グータルズは乗艦を命令のまま動かしていた。その操艦技術には確かなものもあった。
　治安回復活動にはゾロアスター級超巨大戦艦も関わっていた、この作戦においての総司令官であるリバーグは。
　自身が乗るチンギス＝ハーンの艦橋で軍全体の指揮を執りつつだ、感嘆の声を漏らした。
「百個艦隊、一個軍だが」
「的確にです」
「効率的に動かすことが出来ます」
「軍単位で」
「それが出来ています」
「確かに攻撃力と防御力は凄い」　　　
　リバーグもこのことを認める。
「しかしだ」
「それ以上に、ですね」
「この艦艇は違いますね」
「他の艦艇とはです」
「全く違います」
「一個軍を指揮することを念頭に置かれていてだ」
　そのうえで開発、建造されたがというのだ。
「実際にだ」
「動かせていますね」
「的確に」
「充分なまでに」
「そしてこれだけでも」
「素晴らしい艦艇だ」
　こう軍の幕僚達に話した。
「私はそう思う」
「火力や防御力も驚異的ですが」
「実戦テストでも合格しましたし」
「しかしですね」
「指揮能力もですね」
「万全ですね」
「こちらは既に結果が出ていましたが」
　これまでの作戦行動においてだ、それは確かに出ていた。
　しかしだ、戦闘及び今の治安行動についてもなのだ。
「戦闘等の指揮も」
「百個艦隊でもです」
「無事に指揮が出来ます」
「大軍を的確に動かせています」
「素晴らしい指揮能力です」
「兵器としてこれだけ素晴らしいものはない」
　リバーグは太鼓判さえ出した。
「この艦艇ならば大丈夫だ」
「軍の指揮は」
「もう悩むことはないですね」
「これから連合軍は軍単位で動けますね」
「その様に」
「確実にな、火力もだ」
　それもだった。