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星河の覇皇

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第七十一部第二章 ゾロアスター級超巨大戦艦その二十七

「視線、考えとしてだ」
「歴然としてですね」
「存在していますね」
「市民の感情の中に」
「そうしたものが」
「それが時折表面に出てだ」
 そのうえでというのだ。
「暴言や喧嘩になる」
「正規軍と義勇軍に将兵同士の」
「それになりますね」
「時折にしても」
「出ていることは確かですね」
「どうもな、この国は豊かで技術も凄いが」
 グータルズは生活の話もした、連合のそれを。
「しかし我々にとってはだ」
「どうにもですね」
「暮らしにくいところもある」
「そうした国ですね」
「そうだ、異邦人を除け者にする」
 まさにというのだ。
「そうした国だ」
「壁があり」
「その壁で以てですね」
「我々を除外している」
「そうした国ですね」
「もっとも義勇軍にいればだ」
 この場合についてもだ、グータルズは士官達に話した。
「我々自身だけでなく家族も市民権が得られる」
「はい、連合の」
「それがですね」
「そして市民としての特典を貰える」
「そうなりますね」
「そして連合の中で普通に生きることが出来る」 
 連合市民としてだ。
「そうなる」
「その通りですね」
「それが保証されているからこそです」
「我々も義勇軍にいますが」
「しかし有象無象の視線を感じます」
「それが」
「異邦人だからだな」 
 またこう言ったグータルズだった。
「我々が」
「やはりそうですね」
「連合では他の国の人間は明らかに違いますね」
「一線が敷かれ」
「別とみなされますね」
「ムスリム同士でも」
「これが差別だな」
 まさにとだ、グータルズは言った。
「サハラでも色々と差別はあったがな」
「連合でもですね」
「差別があり」
「それで、ですね」
「我々はその差別される存在ですね」
「連合において」
「そうなるな、面白くないものだ」
 冷めた目での言葉だった、士官達も同じ目になっている。
「差別というものをはじめて経験したが」
「はい、どうにも」
「自分達がいざそうなりますと」
「それを実感しますと」
「面白くないです」
「非常に」
「このことは連合でも問題になっている様だが」
 連合以外の国の人間に対する偏見はだ、人権という考えも根付いている国なのでこの問題を告発する者もいるのだ。 
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