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八条学園騒動記

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第五百十三話 素晴らしきかな文学その一

               素晴らしきかな文学
 洪童とエイミーは図書館に入った、そうして早速古典文学のコーナーに入ってそこで本を探しはじめた。
 するとだ、早速だった。
「ああ、あったな」
「シェークスピアね」
「ここにあった」
 本棚にある全集を見てだ、洪童は答えた。この図書館は紙の本を多く揃えていることでも有名なのだ。
「じゃあ読むか」
「スマホとかパソコンでも読めるけれどね」
「紙の本で読むとな」
 洪童はナンシーに話した。
「それはそれでな」
「読みごたえがあるのよね」
「シェークスピアはスマホでも読めるな」
「ええ、ネットでもね」
「そうだったな」
「著作権が切れた作品は」
 作者の死後七十年経過してからだ。
「それから各国と連合中央政府の図書館に保存されてね」
「ネットでもだな」
「しっかりと読めるし」
 ナンシーはさらに話した。
「あとね」
「あと?」
「普通に著作権切れてるから」
 それでというのだ。
「ネットに出回ってるわよ」
「普通にか」
「小説サイトにもあって」
「戯作でもか」
「戯作でも文学だから」
 それでというのだ。
「小説と一緒の扱いでね」
「そうしたサイトにも載ってるんだな」
「そうよ、それで読めるから」
 そうしたサイトでもというのだ。
「読んでみたら?」
「そうか、しかし今はな」
「こうして紙で読むから」
「別にいいか。じゃあこれ読むか」
 こう言ってだ、洪童はオセローやコリオレイナスが収録されている本を手に取ってそうしてまたナンシーに話した。
「俺はオセローか」
「じゃあ私はマクベスね」
 その作品を収録している巻を手に取って応えた。
「これね」
「それか」
「ええ、この本を読むわ」
「マクベスな」
「渋い作品よね」
「名作だな」
 まさにとだ、洪童も述べた。
「あの作品は」
「そう、渋いといったけれど」
「派手さはないな」
「そうそう、というかあんたが選んだ巻の作品もね」
「オセローもコリオレイナスもな」
「派手かっていうと」
「オセローは有名だがな」
 それでもどだ、洪童も応えた。二人はそれぞれの巻を手に取ってそのうえで空いている席に向かった。
 そこで向かい合って座ってそれぞれ本を開いてだった、それからお互いに読みながら話を再開させた。
「派手じゃないかなら」
「ストーリーも登場人物もね」
「マクベスにしてもな」
「ハムレットとかロミオとジュリエットは」
 シェークスピアのこうした作品はというと。
「派手よね」
「華やかでもあるな」
「あと真夏の夜の夢もね」
「恋愛が絡むとそうした感じになるな」
「マクベスって恋愛はね」
 この要素はとだ、ナンシーはそのマクベスを読みつつ話した。 
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