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八条学園騒動記

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第五百十話 マルタ騎士団その六

「お店はやっていけないでしょ」
「そのことは当然だな」
「だからね」
「お店の犯情は絶対だな」
「そうしたお店にしたいわ」
「笑顔で落ち着けてか」
「しかも繁盛してるね」
「そんなバーにしたいか」
「是非ね、品揃えもよくしたいし」
 店のそれもというのだ。
「やっぱりね」
「そこも絶対だな」
「そうでしょ、そうした意味でも充実したお店にしたいわ」
「よく考えてるな」
「お店やってる叔父さんに言われたの」
 ナンはさらに話した。
「お店やるならね」
「それならか」
「お店を持って終わりじゃないってね」 
 その様にというのだ。
「言われたから」
「それでか」
「私もね」
 ナンシ―自身もというのだ。
「そう言われてるし」
「お店を持ってからか」
「そこまでも大変だけれど」
「持ってからも大変でか」
「それでだから」
 そう言われたからだというのだ。
「私もね」
「持ってからのことをか」
「今から考えて」
 そしてというのだ。
「本読んだりネットで調べてるわ」
「バーの営業の仕方をか」
「そうしてるわ」
「成程な、真剣だな」
「若し私がお店を持ったら」
 その時のこともだ、ナンシーは洪童に話した。
「その時はね」
「真剣に営業するか」
「それで親戚のお店ののれん分けみたいになるわね」
「二号店か」
「それになるわね」
「そうか、チェーン店みたいなものか」
「要するにね、まあ小さな家族経営のお店で」 
 笑ってだ、ナンシーはこうも言った。
「別に肩肘張らないね」
「そうしたお店の関係か」
「私の家族そっちの家族と仲いいし」
「だから大学出てからって誘われてるんだな」
「私も受けるって答えてるしね」
「つまりもう就職先決まってるんだな」
「そうなの、それでね」
 そのうえでとだ。ナンシーは再び話した。
「また言うけれど真剣にお店やってね」
「経営してか」
「いいお店にしてね」
「儲けていくか」
「それで暮らしていくわ」
 生活の糧、それも得ていくというのだ。
「そうしていくわ」
「もうそこまで考えているんだな、凄いな」
「凄いかしら」
「俺は漠然とだからな」
「学校の先生になりたいっていうことも」
「少し前まで将来のことを考えていてもな」
 それもとだ、洪童はナンシーに話した。
「もてることをな」
「ああ、カムイと一緒に必死に考えてやってたわね」
「そればかりだったからな」
「あんた達そっちに血眼になってたわね」
「そんな風だったからな」
「それが急に変わったわね」
「まあ二人共な」 
 顔を赤くさせて照れ笑いになってだ、洪童は話した。 
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