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八条学園騒動記

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第五百十話 マルタ騎士団その五

「やがてはね」
「店長さんか」
「そう考えているわ」
「そうなんだな」
「実は親戚のお姉さんの家がバーで」
「その働いているのを見てか」
「いいかなって思ったしね」
 それでとというのだ。
「将来はね」
「バーの店長さんか」
「そうなりたいわ」
「そうか、しかしナンシーの親戚の人は色々だな」
 ここまで話してだ。、洪童は彼女自身にこのことを指摘した。
「マルタ騎士団にバーの人か」
「そうかしら、騎士団の人はお医者さんでね」
「だからか」
「たまたま騎士団に空きがあって」
 それでというのだ。
「スカウトされてね」
「入ったか」
「それだけだし、実は騎士団って結構人手不足みたいなの」
「入る人がいないか」
「そうなの、マルタ国籍じゃないと入られないし」
 それにとだ、ナンシーは洪童に話した。
「お医者さんも色々な勤務先があるでしょ」
「総合病院だったり街の病院だったりな」
「だからね」
「騎士団に入る人もか」
「志願する人がいなくて」
 それでというのだ。
「スカウトでね」
「迎え入れているんだな」
「私の親戚の人みたいにね」
「だからか」
「そんな特別なものでもないし」
 ナンシーはさらに言った。
「騎士って言っても戦わないし」
「医師団か」
「要するにそうだから」
 騎士団と言っても剣を盾や鎧で武装して馬に乗り戦場を駆け巡る様なことはしないというのである。
「だからね」
「平和なものでか」
「そんな物々しいものでもないわよ」
「成程な」
「それでね」
 ナンシ^の話は続いた。
「バーの人は代々で」
「そちらはそうか」
「駅前の繁華街で経営しているのよ」
「そうなんだな」
「それで将来、大学を卒業したら」
 その時はというのだ。
「マルタに戻って」
「それでか」
「そのバーで働かせてもらって」
「その後はか」
「そう、機が来れば」
 その時はと言うのだった。
「独立して」
「店長さんか」
「それを目指すわ、そしてね」
「経営していくか」
「お客さんが笑顔で落ち着けてね」
 そしてというのだ。
「繁盛している」
「繁盛はしないとな」
「やっぱりお客さんがいないとね」 
 そうでなければというのだ。 
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