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八条学園騒動記

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第五百十話 マルタ騎士団その四

「昔の両班の行いを読んでからな」
「両班、韓国の貴族ね」
「李氏朝鮮の頃のな」
 とかく腐敗した権力者達だったと言われている、その為日韓併合の後日本の総督府は彼等の特権を即座に全て剥奪している。
「子供の頃の絵本で出ていたんだ」
「エウロパ貴族みたいな感じね」
「本当にあの感じでな」
「やりたい放題していたのね」
「そして暴力もな」
 洪童が今言うそれもというのだ。
「太腿の間に棒を入れて脚を閉じさせて捻るんだ」
「脚を閉じさせてなの」
「そうしてな」
「それはきついわね」
「そうしたことをしていたと絵本で読んでな」
 それでというのだ。
「俺は痛いと思った」
「読んでいるだけで」
「ああ、どれだけ痛いか想像してな」
「それでなのね」
「自分が痛いならな」
 そうした思いをするならというのだ。
「相手にもと思ってな」
「暴力は嫌いになったのね」
「それに暴力で何でも解決出来るか?」
 洪童はナンシーに聞き返した。
「そもそも」
「それはもうね」
「言うまでもないな」
「まさに愚問ってやつよ」
「そうだな」
「それで何でも解決出来たらね」
「法律はいらないな」
「そんなの世紀末漫画の悪役よ」
 そうした連中の話だというのだ。
「それで自分より強い相手が出て来てね」
「やっつけられてな」
「それで終わりよ」
「そうなるものだな」
「ええ、暴力なんてものはね」
「そうも思うからな」
 洪童はまたナンシーに話した。
「俺は暴力は振るわない」
「否定しているのね」
「そういうことだ」
「それはいいわね、その考えも含めてね」
「俺は学校の先生に向いているか」
「そう思うわ、まあ学校の先生ってね」
 ナンシーは今度はどうにもという顔になって述べた。
「結構以上にね」
「変な人が多いか」
「そうよね」
「そうだな、どうもな」
「連合で一番変な人が多いお仕事よね」
「どうしてもそう思えるな」
「先生の犯罪率物凄く多いから」
 横領や生涯、性犯罪とだ。とかく破廉恥な犯罪行為を起こす者がやたら多いのが連合の学校の教師なのだ。
「だからね」
「それでか」
「私も今言うけれど」
「俺は大丈夫か」
「そんな暴力を否定する人がね」
 そうそうというのだ。
「生徒の子達に手をあげないでしょ」
「少なくともそんなことはしたくない」
「その心を忘れなかったら」
 それでというのだ。
「大丈夫だと思うわ」
「そうか、ならな」
「ちなみに私の将来の夢はバーの店長さんよ」
「バーのか」
「そう、お店で働いて」
 そのバーでというのだ。 
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