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八条学園騒動記

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第五百八話 ナンと海その四

「ダンはそうなのね」
「海を観るのも大好きだしな」
「じゃあ泳ぐのは」
「好きだ」
 こちらもというのだ。
「プールでもな」
「何か水兵さんみたいね」
 この時代では海上警備隊の者が多い。
「それだと」
「水兵さんか」
「セーラー服の人達ね」
「元々あの人達の軍服だった」
 セーラー服はというのだ。
「今は連合軍の兵隊さんの軍服だと言われるがな」
「連合軍って元々海軍をベースにしてるのよね」
「どの国の軍隊もな」
 そしてその各国軍を集めて創設された中央政府軍もだ。
「海軍からなっている」
「だから軍服も海軍のもので」
「兵隊さんの軍服はセーラー服だ」
 それになっているというのだ。
「だから海上警備隊の人達の方がな」
「元だって言えるのね」
「あの警備隊は元々海軍だしな」
「そうなのね」
「ああ、そしてな」
 ダンはナンにさらに話した。
「実は俺の水族館ではセーラー服も売っている」
「水兵さんの服も」
「琉球の海上保安庁に協力してもらってな」
 そうしてというのだ。
「軍服を提供してもらってな」
「売ってるのね」
「売れ行きがいい」
「そうした商売もしているのね」
「そうだ、それで俺も子供の頃水兵さんになりたいと思ったこともある」
 ダンもというのだ。
「一度な」
「けれど水族館になったのね」
「すぐに変わった、水族館でイルカ達を観ていてな」
「水族館の方がいいって思ったの」
「それで今もそう思っている」
 将来は水族館、実家のそこで働きたいとだ。
「そうな」
「そうなのね、じゃあね」
「ああ、もう水兵になるつもりはな」
「ないのね」
「今も好きだがな」
 それでもというのだ。
「もうなるつもりはない」
「ううん、水兵さんね」
「ナンは興味あるか」
「だから私海には縁がなかったから」
 そもそもそうだったからだというのだ。
「なりたいと思ったことはね」
「ないか」
「セーラー服自体この目で観たのは」
 その時はというと。
「ここに来てからだから」
「そのこともか」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「なりたいと思ったことは」
「なかったし今もね」
「ないか」
「そうなのよ」
「水兵は興味がないか」
「兵隊さんは嫌いじゃないけれど」
 それでもというのだ。
「セーラー服を着るとか」
「そうしたことはか」
「考えたことないわ」
「海に縁がないか」
「あと宇宙にもね」
 連合軍の主な管轄であるそちらにもというのだ。
「これといってね」
「じゃあもうこの学校の次は本当にか」
「ええ、草原に戻ってね」
「遊牧生活にも摂るか」
「そうしたいわ、やっぱり私はね」
「草原か」
「あんたが海の傍でいたいっていうのと同じで」
 まさにそうした状況でというのだ。
「私は草原にいたいのよ」
「草原での遊牧生活か」
「それが一番よ」
 何といってもというのだ。
「それでね」
「そしてか」
「そう、馬に乗って羊を連れて」
「昔ながらの遊牧生活か」
「パソコンとかあるけれどね」
 アンはこのことはくすりと笑って述べた。 
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