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八条学園騒動記

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第五百八話 ナンと海その三

「シーラカンスもいる」
「それも古代のお魚ね」
「そうした世界だ」
「神秘の世界ね」
「異世界だ、だが」
「だがっていうと」
「この水族館は深海魚も深海生物も多い」
 実際にそうした生物達も多く飼育している。
「そちらも充実しているが」
「いいことだっていうのね」
「深海もロマンの世界だ」
「異次元じゃないのね」
「確かに変わった生きものが多いが」
 それでもというのだ。
「それがだ」
「ロマンなのね」
「不思議な生きもの達の宝庫のな」
「そうなのね」
「だから機会があればな」
 その時はとだ、ダンはナンに話した。
「まただ」
「言ってみたいのね」
「そう考えている」
 こうナンに言うのだった。
「一万メートルの世界にな」
「一万メートルもね」
「そしてその世界でだ」
「生きもの達を見るのね」
「じっくりとな」
 そうしてというのだ。
「何時かは」
「ううん、凄い夢ね」
「そう思ってくれるか」
「いや、深海って私には縁のない世界だけれど」
 それでもというのだ。
「今だに色々な星で未知の世界よね」
「その未知の世界を知る」
「その為に行きたいのね」
「ああ、俺は就職は実家だが」
 そちらの水族館だというのだ。
「水族館で働くには学芸員の資格が必要だ」
「あそこ博物館だから」
「法律的にはな」
「だから学芸員の資格が必要よね」
「大学でそれを手に入れてな」
 そしてというのだ。
「生物学も学んでな」
「海洋生物?」
「淡水もだから水中生物か」
 それ全般になるというのだ。
「とにかく生物学とな」
「あと、なのね」
「学芸員だ」
 この資格は絶対だというのだ。
「それを手に入れてな」
「琉球に戻って」
「そこで働く」
「成程ね、人生設計出来てるのね」
「ある程度な、実家に戻らなくてもな」
 それでもというのだ。
「多分な」
「学芸員になって」
「水族館に働くことはだ」
「絶対なのね」
「そうなるだろうな、水族館が好きだしな」
「つまりダンって生粋の海の人なのね」
 ナンはここまで聞いて述べた。
「つまりは」
「そうだな、そう言われるとな」
「自分でも思うでしょ」
「海辺で育っているしな」
「この学園も海の傍にあるしね」
 だから高等部に水産科もあるし大学でも海洋学部がある。海の方の研究にもかなり熱心な学園であるのだ。
「縁が本当にあるわね」
「そうだな、確かに」
「私は孝行に入るまで無縁だったけれどね」
 ナンはまたこのことを話した。 
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