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星河の覇皇

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第七十部第三章 作戦発動その七

「同盟国であるがだ」
「あの国は実際は、ですね」
「自分達で動く国で」
「信頼出来ないところも多いですね」
「実際にエウロパにもいい顔を見せていますし」
「だからだな、確かにマウリアは油断出来ない国だ」
 同盟国であってもだ、このことは実は連合ではよく言われていることだ。マウリアは信頼出来ないところのある国だとだ。
「自分達の考えで動いてだ」
「毀誉褒貶もありますね」
「連合内部をかき乱しているのではという行動もありました」
「エウロパを助けて勢力均衡を計る様な」
「そうした動きは常ですし」
「マウリアは連合にはない」
 このことは絶対のことだ。
「だから連合からは何も出来ない」
「言うこともですね」
「内政干渉になりますし」
「あれこれ言えませんね」
「不快な顔は見せられても」
「それでも」
「不快な顔も無視すればいい」
 外交においてはだ、そうしてしまえばそれでいいのだ。実際にマウリアはこの千年の間そうしてもきている。
「連合がどんな顔をしてもな」
「マウリアとしてはですね」
「しかし不快な顔でなく新兵器を見せれば」
「マウリアも妙な気を起こさない」
「そうした考えもありますね」
「少なくとも驚異を見せれば妙な気は減る」
 マウリアのそれはというのだ。
「だからだ」
「マウリアにも見せる」
「その意味がありますね」
「エウロパ、サハラだけでなくマウリアにも見せる」
「同盟国であるあの国にも」
「そうするということだ、しかしあの国は中々以上に強い」
 リバーグもこのことはわかっていた、彼は軍人であるが官僚タイプなところがありそれでこうした考えも出来るのだ。
「だから圧力を加えてもな」
「それでもですね」
「あの国がそう簡単に動きを収めるか」
「連合が武力に訴える筈がありませんし」
「多少の圧力程度ですね」
「そんな相手だ、だが国内の海賊やテロリストには最高の圧力だ」
 今度は国内での話だった。
「いいことだ」
「圧力をかける」
「そのことがですね」
「非常にいい」
「国内は特にですね」
「市民の心の支えにもなく」
 彼等のそれにもというのだ。
「ティアマト級をもさらに凌駕する新艦艇なのだからな」
「連合にはそこまで強いものがある」
「超巨大戦艦もですね」
「そのことを市民にも見てもらう」
「国内への影響も大きいですね」
「その為にも使おう」
 彼等が今乗っているこの戦艦をというのだ。
「是非な」
「はい、ではです」
「この戦艦も前線に出しましょう」
「そしてそのうえで、ですね」
「全人類に見せましょう」
「我々の力をな、では諸君達を出してだ」
 四百個艦隊の正規軍、そして百個艦隊の義勇軍にだ。
「今は基本英気を養う、しかし」
「予定時間になれば」
「その時は、ですね」
「一気に動き」
「作戦に移りますね」
「外縁部の宙形は把握している」
 これまでの入念な調査によってだ、何処にどういったものがあるのか惑星や衛星単位で把握しているのだ。 
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