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星河の覇皇

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第七十部第三章 作戦発動その四

「特にイスラムの将兵達がだな」
「衝突していますね」
「同じムスリムでもか」
「違います」 
 その相違点故にというのだ。
「ですからどうしてもです」
「他宗教の者と比べてか」
「衝突が多いです」
「同じ宗教同士の方が摩擦が多い」
 このことについてだ、リバーグはこうも言った。
「これまでもあったことだな」
「はい、人類の歴史において」
「そうしたことは多々ありましたね」
「キリスト教にしてもそうでしたね」
「イスラムにしても」
「カトリックとプロテスタントもそうだったな」 
 リバーグは幕僚達にこの宗教のことを話した。
「同じキリスト教徒だったが」
「陰惨な殺し合いをしましたね」
「それもお互いに」
「三十年戦争等で、でしたね」
「そうしてきた歴史がありましたね」
「エウロパ人は残虐だが」
 このエウロパへの偏見も話に出る。
「しかしだ」
「それを差し引いてもですね」
「キリスト教徒同士でもですね」
「そうしたことがあった」
「実際に」
「そのことも考えると」 
 流石に三十年戦争の様ではないがというのだ。
「起こっている」
「同じ宗教故の摩擦」
「衝突がですね」
「連合軍でも起こっていますね」
「残念なことに」
「喧嘩位だが」
 戦争やそうしたものではなく、というのだ。
「しかしだ」
「はい、衝突は衝突です」
「個人同士の喧嘩であってもです」
「あってはならないことです」
「どうしても」
「幸い凶器は出ていないが」
 その喧嘩においてだ。
「殴り合いには発展している」
「喧嘩を起こした将兵は常に厳罰で対していますが」
「衝突があることは事実」
「残念なことです」
「特にムスリム同士で、だからな」
 リバーグは難しい顔で言うのだった。
「そうした話はなくしていきたい」
「はい、だからですね」
「相互理解の為のレセプションの場をもうける」
「そうしますか」
「そのことも考えていきますか」
「そうしていこうと考えている、作戦発動までな」
 つまり軍事行動に移るまではというのだ。
「作戦開始予定時間までまだ時間がある」
「だからですね」
「ここは、です」
「レセプションの場を持ち」
「交流も深めていきますか」
「公式には時間がなく難しくともだ」
 それでもというのだ。
「私的なものでもな」
「それでもですね」
「進めていきそしてですね」
「やがてはですね」
「衝突が起きない様にする」
「そうした状況にしていきたいですか」
「信仰は掛け替えのないものだ」 
 リバーグも宗教への理解がある、マルドゥーク神と小乗仏教、それにカトリックを信仰していて特に仏教には深く帰依している。 
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