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レーヴァティン

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第九十五話 中央部その六

「それが出来るな」
「そやな、それでその次やな」
「ああ、半島の北か南か」
「どっちにするかやが」
「どっちの状況も大体わかってきたな」
 久志は港を出入りして停泊したうえで積み荷や客を入れたり出したりしている船達を観ながら美奈代に話した、鴎の声も聞こえてくる。
「今北は随分と荒れてるっていうかな」
「都市国家同士がいがみ合ってるわ」
「大小でな」
「そやからな」
「ああ、南は平穏だからな」
「それでや」
 だからだというのだ。
「攻めるんやったらな」
「北だな」
「そっちや」
 そちらを先に攻めるべきだというのだ。
「北を手に入れたら北の騎士団領やら王国やらと国境を接するけれどな」
「豊かだからな」
 商業や手工業が盛んでだ。
「だからだよな」
「そや、北がゴタゴタしてるとな」
 それならというのだ。
「攻めやすい」
「よし、じゃあな」
「中央部を掌握したら」
「北に向かうか、さて今は殆ど戦になってないけれどな」
「これからはわからんな」
「ああ、従わない街があったらな」
 その場合はどうすべきか、もう答えは出ていた。
「戦うか」
「そうするしかないわ」
「そうだよな」
「覚悟はしてるやろ」
「ああ」
 返事は簡潔かつ明快なものだった。
「もうな」
「そやったらな」
「戦になったらか」
「勝つ、そうしてや」
「その相手を降すか」
「もうそれだけや」
 美奈代も明快に答えた。
「難しく考えることはな」
「ないよな」
「そや、勝ってくで」
 まさにというのだ。
「そうしてくで」
「そうだよな」
「その為の大軍と装備でな」
「兵糧だよな」
「塩もある」
 これもというのだ。
「それに硝石もな」
「火薬もな」
「全部揃っている」
 まさにというのだ。
「ならな」
「戦えるな」
 まさにとだ、久志は述べた。
「存分に」
「剣や槍もええの入った、というかな」
 ここでだ、こう言った美奈代だった。
「ハルバートになったやろ」
「あの武器いいな」
「槍、斧、どっちの機能もある」
 その両方がというのだ。
「そやからな」
「それだけ強いよな」
「そや、パイクも長いのが揃った」
 即ち槍もというのだ。
「七メートル位のな、質のええ武器にな」
「火薬とかも充分だからな」
「それでや」
 まさにとだ、美奈代は久志に強い声で話した。
「戦になってもや」
「充分に戦えるな」
「そや、そやからな」
「北で戦ってもな」
「いけるで」
「そうだな、戦争は数だぜでな」
 あるアニメのあまりにも有名な台詞をだ、久志は口に出した。 
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