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レーヴァティン

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第九十五話 中央部その五

「使わない手はないな」
「そうそう、あるものは使う」
 淳二も言ってきた。
「全部ね」
「そうしてこそだよな」
「何かが出来るからね」
「政もそうだよな」
「というか政こそだね」
「仕えるものは全部使う」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「ことを成す」
「それが政だな」
「そうだよ、だからね」
「よし、図書館もな」
「使っていこうね」
「そしてだな」
「うん、半島を統一して」
 そしてとだ、淳二はさらに話した。
「それからね」
「どんどん進出していくけれどな」
「学問はその為の力でもあるな」
「人間やっぱり頭も必要だよ」
 淳二は久志にこの真実も話した。
「だからだよ」
「ローマにとんでもない大きさの図書館があってよかったな」
「蔵書は本当にデルフォイとかヨハネスブルグ並かな」
「そうかもな、じゃあな」
「その蔵書も使っていこうね」
「学者さん達呼んで読んでもらってな」
 そしてと言うのだった。
「学んでな」
「それをおいら達の力にしていこう」
「よし、じゃあ学者さん達も雇うか」
「これからはね」
 こうしてだった、久志は半島中央部の掌握を進めながらだった。
 学問のことも大々的に研究を開始させた、島全体に対して学者の募集を行った。そうしてであった。
 彼等に図書館で学ばせ研究室や設備も用意してだ、文系も理系も研究させた。そこには超能力や錬金術もあり。
 忽ちのうちにローマ大学の一角に一大研究施設が出来上がった、久志はその状況を見て呻ってこう言った。
「凄いな、数学や化学や科学だけでなくてな」
「魔術や錬金術、超能力もやで」
 そうした部門までとだ、美奈代が答えた。
「物凄い勢いでな」
「研究されていっててな」
「進歩しようとしてるな」
「ああ、これはな」
 まさにというのだ。
「画期的な位だよ」
「ほんまにな、この技術を活かしてな」
「俺達は発展出来るな」
「その下地の萌芽が見えたってとこや」
「まだそんなところか」
「これが力になるのは」
 まさにというのだ。
「半島を統一した頃か」
「結構先だな」
「時間的に半島の統一は結構かかる」
 美奈代はこう読んでいるが他の者達も同じだ、殆ど誰もが半島の統一には結構な時間がかかると思っている。
「その間にや」
「今の研究の成果がか」
「出はじめてくるわ」
「そうなるんやな」
「そやからな」
「気長に待つか」
「そうしよな、それとな」
 美奈代は久志にさらに話した。
「もうすぐ中央掌握やな」
「ああ、いよいよな」
 実際にとだ、久志は美奈代に答えた。今は港にいて船達を二人で観ている。所謂状況視察を行っているのだ。 
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