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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその二十六

「コーヒーを飲んでいるがな、今は」
「部長はこーjヒー派ですから」
「そうだ、しかしだ」
「それでも時々はですね」
「他のものを飲みたくなるな」
 こうも言うのだった。
「どうもな」
「そうですか」
「そうした時もある」
 どうもというのだ。
「何かとな、だから今はだ」
「何を飲まれますか」
「紅茶にするか」
 次に飲む茶はというのだ。
「そうしようか」
「紅茶ですか」
「そうだ、紅茶にするか」
「ミルクティーにしますか」
「それがいいか、だがな」
「それでもですね」
「ロシア風にするか」
 その紅茶はというのだ。
「あの国のな」
「ロシアですか」
「この前出張であの国に行ったが」
 その時にとだ、アラガルは自分でティーパックを出した。そしてそのうえでカップにそのパックを入れてポットのお湯を入れた。
 そしてだ、その紅茶にミルクを入れて飲みはじめて言った。
「そこでこの紅茶を飲んでな」
「お気に召されましたか」
「そうなった」
 まさにとだ、微笑んで言った。
「いい紅茶だ、ただ普通に飲む紅茶もだ」
「それもですね」
「美味い」
 こちらもというのだ。
「これまでは普通の紅茶が主だったがな」
「イギリス風のですね」
「あの連合で淹れた方が美味いというな」
「その紅茶がメインでしたか」
「これまではな、しかしだ」
「今は、ですか」
「この紅茶も好きだ」
 ロシア風の紅茶もというのだ。
「飲めば飲む程味がわかる」
「そうした紅茶ですか」
「ロシア風はな、君も飲むか」
「そうですね、二杯目は」
 趙虎もこう答えた。
「そちらしますか」
「そうか、ではな」
「はい、二杯目は」
「では私が淹れよう」
「いえ、私が淹れます」
「自分でか」
「そうします」
 微笑んでの言葉だった。
「自分のことは自分でする」
「己の靴は己で磨けか」
「連合の教えですね」
「リンカーンだったな」
 リンカーンは自分の靴を自分で磨いていた、そこからきた言葉だ。
「それだな」
「私も連合の人間ですから」
「自分のお茶は自分で淹れるか」
「はい、私自身で」
 まさにというのだ。
「そうします」
「わかった、ではな」
「二杯目はです」
 その紅茶をというのだ。
「自分でそうさせてもらいます、それと」
「それとか」
「お菓子は」
「そういえばないな」
 ここでだ、アラガルもそのことに気付いた。 
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