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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその二十四

「普通の工作でいくことにしたのだ」
「オーソドックスな」
「それにしたのだ、では予定開始時間までにだ」
「徹底した工作を行いますか」
「最後の最後までな、ではやっていこう」
「はい、私も私の仕事をします」
 趙虎も笑みを浮かべてだった、アラガルに答えた。
「闇商人として」
「その様にな、しかしネイティブアメリカンの話が出たが」
「アメリカと、ですね」
「彼等は犯罪者でコミュニティは組み入れていくものだが」
「外縁部は、ですね」
「フロンティアだな」
 かつてのアメリカにあったそれだというのだ。
「まさに」
「そうですね、言うならば」
「侵略と殺戮のないフロンティアですね」
「それはいいことだな」
「はい、開拓はいいことですが」
「それが侵略を伴うものならな」
「どうしても罪となります」
 こうした意味でアメリカの最初の歴史は罪の歴史であると言える、輝かしいフロンティアの歴史は侵略の歴史と表裏一体なのだ。
「しかしです」
「それがないからな」
「心理的負担もなくですね」
「行動が取れる、いいことだ」
「実にですね」
「コミュニティの中には連合に入ろうとしない勢力もあるが」
 それでもというのだ。
「個人として組み入れていけばいい」
「組織の中の一人一人をですね」
「個人になれば世捨て人だ」
「何の影響力も持たない」
「どうしてもと言うのなら何処かの星の森の奥で暮らしてもらう」
 これが連合の方針の一つだ、連合は自国に入らないコミュニティは個人単位で切り崩して組み入れていき力をなくしたうえで参加の交渉を続けるがそれでも従わない相手にはもうそうしてひっそりと暮らしてもらうのだ。
「適当にな」
「そうなりますね」
「流石に個人や僅かな数のコミュニティになるとな」
「世捨て人になってもらっては」
「どうということはない」 
 それこそというのだ。
「また機会を見て連合に入ってもらう場合もあるがな」
「我々は来る者は拒まずなので」
 エウロパ以外に対してだ、もっと言えば去る者は基本的に追う。
「だからですね」
「そこは寛容だ」
「そうしていますね」
「もっともそうした世捨て人も多いがな」
 連合を批判してその社会から出る者がだ。
「連合の中にもな」
「そしてホームレス等になっていますね」
「こうした考えの持ち主はどうしようもない」
「そうですね、家も捨ててですから」
「隠者と言うべきか」
 世捨て人、彼等はだ。
「若しくはホームレスか」
「呼び方は様々ですね」
「実にな、しかしだ」
「彼等はですね」
「それでいいか」
「そう思うしかないですね」
「どうしてもと言うのならな」
 連合中央政府、各国政府としてはというのだ。
「ホームレスになって仕事や家の提供にも応じないのなら」
「手がありませんね」
「それではだ」
 最早というのだ。
「どうしようもない」
「そうなりますね」
「本意でなく世を捨てるケースもあるが」
「そうした人はですね」
「何とかなる」
 仕事や家を斡旋してというのだ、国家が。
「開拓地等にな」
「再開発でもですね」
「それが出来るが」
「思想でそうなられますと」
「どうしようもない、外縁部にはそうしたコミュニティもありだ」
 個人もだ。 
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