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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその六

「それはなかったので」
「拡大も平和でしたね」
「文明が存在する惑星に遭遇しなかったことは」
「多くの自然豊かな星を手に入れてきましたが」
「文明は存在していませんでしたね」
「宇宙に文明を築くまでの知的生命体が誕生する可能性は僅かといいますが」
 地球レベルでそこまで自然環境や資源が優れているか、そうした問題と生物の進化の問題もあるからだ。
「それは実際ですね」
「銀河系には無数の星系がありますが」
「それこそ星の数だけです」
「しかし人類以外にはですね」
「いませんね」
「宇宙は広いです」 
 八条はこうも言った。
「その中には我々以外の知的生命体も存在していることは間違いありません」
「そうですね、他に知的生命体がいないとは」
「やはり考えられません」
 軍人達もこう考えている、それは何故かというと。
「それを言うとです」
「我々が存在していることも説明出来ません」
「我々が何故文明を築けたか」
「そうしたことまで」
「そうです、他の知的生命体がいないとはです」
 このことはというのだ。
「言えないです」
「どうしてもですね」
「人類が宇宙にいることを考えますと」
「どうしてもですね」
「それは否定出来ないですね」
「そうです」
 八条も言うのだった。
「このことはとてもです」
「否定出来ないですね」
「我々は他の知的生命体にまだ遭遇していませんが」
「この広い宇宙には確実に存在していますね」
「銀河系もです」
「この宇宙には一七〇〇億程度の銀河系があるといいますね」
 八条はこの説を出した。
「この銀河系は四千億程の恒星、そして恒星から成る星系を持っていますが」
「銀河系も大小あり」
「その銀河系も一七〇〇億あるといいますと」
「銀河系一つに文明がない場合も有り得ますし」
「複数あるケースも考えられますね」
「この辺りはわかりません」
 少なくとも銀河系の中にあってはというのだ、四千億もの星系を持ち八万光年の距離を持っている星系でもだ。
「他の銀河系にまで探索の人工流星を出していますが」
「それでもですね」
「まだ発見されていませんね」
「この銀河系の中においても」
「まだですね」
「わかっていることは少ないです」
 八条は人類がこの時点で知っている宇宙のことも話した。
「言うなら我々は太古の地球でのほんの小さな一部にある国家です」
「都市国家の様な、ですね」
「そうした存在ですね」
「ギリシアにあった様な」
 それこそというのだ。
「そうした存在です」
「一七〇〇億か一説にはさらに多くの銀河があるこの宇宙の中でのですね」
「銀河系にいるだけの存在ですね」
 一七〇〇億のうちのごく一部である。
「まさに太古の地球では一都市国家」
「その程度ですね」
「そうだと考えています」
 八条は軍人達に述べた。
「この宇宙はあまりにも広いですので」
「では、ですね」
「この広い宇宙にはまだ可能性がある」
「銀河系にはおらずとも」
「それでもですね」
「そうも思います、ですが何故生物は争うのか」
 今度はこうしたこともだ、八条は話した。 
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