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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその三

「もう無茶苦茶だな」
「全くだな」
「もういたくないぜ」
「これ以上はな」
「連合に戻りたい」
 こうした意見さえ出ていた、連合から出た彼等も。こうした話をだ。
 連合の統合作戦本部は聞いていた、そして流してもいた。そのことを聞いて八条もこうしたことを言ったのだった。
「不法移民の通常のコミュニティにもですか」
「はい、そうです」
「情報を流しています」
「こちらの意図的な情報をです」
「外縁部の状況を」
「そうですか、では外縁部の通常のコミュニティも」
 八条も報告する軍人達の話を聞いて言う。
「このままいけばですね」
「はい、次第にです」
「連合に気持ちが傾いています」
「以前からそうした工作は続けていましたが」
「それでもです」
 今回はというのだ。
「今回は特にです」
「連合に戻った方がいいと情報を流しています」
 所謂情報操作を行っているというのだ。
「そうしています」
「そしてそれが効果を出しています」
「外縁部の不法移民達が連合への帰還を考えています」
「それもかなりの数が」
「ですから」
「彼等はですね」
 八条は彼等の言葉を受けて言った。
「多くは連合に戻りますね」
「連合の豊かさも宣伝していますし」
「彼等はそれも聞いています」
「ですからここはです」
「不法移民、彼等の殆どは連合に戻ってくれます」
「間違いなく」
「凶悪犯でなければです」
 八条は連合の伝統的な外縁部に対する政策についても述べた。
「時効であればです」
「帰還してもですね」
「罪を問われない」
「だからですね」
「それはよし」
「そうですね」
「連合は凶悪犯には厳しいですが」
 しかしというのだ。
「ですがそれでもです」
「通常犯罪には優しい」
「そうした国ですから」
「時効であればですね」
「その罪は問われないですね」
「ましてやその子孫になりますと」
 外縁部に出たまま家族をもうけそこで何代も住んでいる者も多い、そうした者達についても連合の政策は決まっているのだ。
「何の罪もないですから」
「無条件で連合市民に加える」
「そうなっていますね」
「そうです、今回も同じです」
 この作戦でもとだ、八条はまた言った。
「ですから」
「不法出国者は連合に戻るか加わってもらい」
「情報も提供してもらいますね」
「彼等だけが知っている様な状況も」
「そちらも」
「はい、そしてです」
 そのうえでと言うのだった。
「海賊やテロリストについては」
「容赦なく掃討ですね」
「捕虜にしても重罪ならば処刑」
「裁判にかけた後で」
「そうしますね」
「彼等は法的には連合市民です」
 連合中央政府及び各国の法律でそう定められているのだ、連合は不法出国者及びその子孫も連合市民と判断しその法律が適用されると定めているのだ。 
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