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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その四十三

「それこそな、けれどな」
「サハラにはないと」
「戦争ばかりでどの星も砂と岩ばかりだ」 
 惑星開発も進んでいないというのだ、無論開拓も。
「何もないんだ」
「この星も最初に開発されまして」
 人が入る前にだ。
「この通りですよ」
「緑が多いな」
「森も海もありますね」
「いい星だよ」
「けれどなんですね」
「サハラには少ないんだ、これが」
 そうした星もというのだ。
「どうもな」
「そうですか」
「本当にな、サハラは」
「貧しいですか」
「貧しい貧しい」
 自嘲した笑いで言う。
「連合と比べてもな」
「だからですか」
「もうここでな」 
 連合でというのだ。
「暮らすか」
「言葉は」
「もうアラビア語よりもな」
 サハラの公用語であるこちらよりもというのだ。
「銀河語とかで考えてるな」
「そうですか」
「ああ、どうもな」
「わしはあれですけれどね」
「あれ?」
「ここはニカラグアなんで」
 それでというのだ。
「スペイン語で考えることが多いですね」
「ニカラグアの言葉か」
「連合じゃ銀河語とその国の言葉を習うんです」
 両方の言葉でだ。
「本やネットもですね」
「いつも両方の言葉が書かれてるな」
 曹長もそのことを言う。
「一つの言語じゃなくてな」
「両方の言葉をいつも忘れない様に」
「その国それぞれでか」
「その国の言葉とです」
 それと同時にというのだ。
「銀河語でも書かれてるんです」
「そうなんだな」
「字幕も二つです」
 そちらもというのだ。
「その国の言葉と銀河語」
「両方か」
「両方の言葉併記なんですよ」
「その辺りややこしいな」
「連合ですから」
 それでというのだ。
「そこはそうなります」
「どっちにかが出来ないか」
「連合ではないですね」
「公用語が銀河語だろ」
「はい」 
 そのことは事実だとだ、親父も認める。
「そうです」
「それでもか」
「こっちは各国の権限も強いですから」
 それで各国の言語を学ぶことも必須とされているのだ、連合全体の公用語を銀河語としながらもそれでもだ。 
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