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ドリトル先生と日本の鉄道

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第十二幕その四

 鉄道博物館の外は静かです、それで動物の皆は言いました。
「あれっ、静かね」
「そうだよね」
「妙にね」
「そろそろ大声で叫んでいる筈なのに」
「沖縄の時みたいにね」
「プラカード出したりして」
「うん、その筈だけれどね」
 それでもとです、先生も言いました。
 そうして皆と一緒に鉄道博物館の外に出るとでした。
 プラカードやメガホンを持っている人達が学園の警備員の人達に囲まれてです、こう言われていました。
「不法侵入ですよね」
「許可得ていませんよね」
「正門のチェックマイクロバスで突破しましたけれど」
「それじゃあ帰って下さい」
 こう言われていました、そしてです。
 学園の警備責任者の人がその人達に言いました。
「完全に不法侵入です、警察に通報しました」
「おい、何言ってるんだ」
「俺達は抗議しに来たんだぞ」
「この博物館は列車砲の模型を動かしているんだぞ」
「兵器の模型なんて飾るな」
「戦争を想起させるでしょ」
 その人達は責任者の人に口々に抗議しました。
「戦争反対よ」
「また戦争をしたいのか」
「そんなの間違ってるでしょ」
「そんなもの展示させる方が問題だぞ」
「それは貴方達の主張で主張をすることは護られるべきです」
 責任者の人は背筋を伸ばしてこのことは絶対だと言い切りました。
「しかしです」
「しかし?」
「しかし、何だ」
「貴方達は不法侵入罪です」
 このことは絶対だというのです。
「警察に通報し学園から正式に刑事告訴します」
「おい、俺達は犯罪者か」
「馬鹿を言うな」
「戦争反対と言っているだけよ」
「平和を守る為に活動しているのに」
「犯罪は犯罪です」
 責任者の人はあくまでこのことを指摘するだけでした、そしてです。
 抗議する人達が喚いて騒いでいる最中にです、警察のパトカーが何台も来てその人達を拘束してでした。
 連行していきます、先生はその一部始終を見てから皆に言いました。
「独善の末路だね」
「不法侵入はまずいよね」
「そんなことをしたら」
「そうよね」
「犯罪だから」
「ああなるのは当然だね」
「そうだね、何かもうね」
 それこそというのです。
「言ったすぐ傍から神罰を受けるなんてね」
「自業自得にしても」
「急過ぎるね」
「まあそんなこともあるにしても」
「先生と対する前に終わったわね」
「そうだね、けれど終わったから」
 それでと言った先生でした。
「それじゃあね」
「うん、もう先生のすることはないし」
「研究室に帰ろうね」
「そしてね」
「学問をしようね」
「そうしようね」
 先生もこう答えてでした、宮田さんにことの事情をお話してでした。
 そしてです、宮田さんも笑顔で言いました。
「よかったですね、ああした人達はです」
「独善的で、ですね」
「法律さえ無視しますから」
「ああした結末を迎えますね」
「彼等には間違いなく前科がつきます」
「現行犯ですからね」
「そうなります、幾らおかしな人達でも」
 それでもというのです。 
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