| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百二話 撮影の後でその十

「それでもね」
「前後のストーリーもなのね」
「大事だから」
「穏やかなの」
「鬼畜系はあっても」
「鬼畜っていうと」
「悪いこと、酷いことをするゲームをね」
 ジョルジュはジュリアにそうしたゲームの話もした。
「そう呼ぶんだ」
「そうなの」
「けれどね」
「前後で見せることが多いのね」
「感動したり泣いたりとか」
「そうしたゲームでもあるの」
「あるよ、イラストも奇麗でないとね」
 そうでないと、というのだ。
「駄目だしね」
「そうしたゲームも難しいのね」
「声優さんも必要だし」
「ああ、声優さんも」
「ゲームには欠かせないよね」
「それはね」
 アニメに声優が同じだけゲームにも声優が必要だ、このことはジュリアにしても言うまでもないことだった。
「もうね」
「そうだね、それでね」
「そうしたゲームにもなのね」
「それも女性の声優さんがね」
「じゃあ」
 ここでジュリアは察して言った。
「ひょっとしてああしたシーンでは」
「うん、ああした声出すのよ」
「やっぱりそうなのね」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「あまり実際の名前ではね」
「出ないんだ」
「別名義で出るから」
「そうして誰かわからない様にしてるのね」
「声でわかってもね」
「声ね」
 ジュリアもそう聞いて納得した。
「それはね」
「どうしてもわかるよね」
「ええ、それはね」
 その通りだとだ、ジョルジュに答えた。
「どうしても出るから」
「それでわかるんだ」
「普通に誰なのか」
「名前が変わっても」
「名前は嘘を吐けても」
「そう、声はね」
 それはというのだ。
「嘘を言わないから」
「それでわかるのね」
「そうなんだ」
「成程ね」
「七色の声を持つ声優さんでも」
 俗にそう言われる人でもというのだ。
「その七色の声それぞれにね」
「個性があるのね」
「それでわかるんだよ」
「というかそれでわかる人は」
「プロだっていうのかな」
「相当なマニアね」
 プロでなければとだ、ジュリアは答えた。
「もうね」
「そうだよね、けれどね」
「わかる人はわかるのね」
「そうなんだ、これが」
「それがもうね」
「プロかマニアっていうんだね」
「そう思ったわ、高度なプロと高度のマニアの違いは」
 何なのか、ジュリアは述べた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧